はじめに

―それは、介護が必要になる前からですか?

介護は突然やってきます。まったく無知の状態で、なにがなんだかわからないままに間違った選択をしてしまうことはよくあることです。介護離職もその一つですし、焦ってググるのは最悪です。

幸い、日本には素晴らしい「エイジング・リテラシーの入り口」があります。介護がまだ身近ではない方、始まったばかりの方は、漫画『ヘルプマン!』(くさか里樹/講談社)を読むことをおすすめします。介護業界では研修のテキストに使われることもある作品で、エイジング・リテラシーを高めるためにも最適です。

ヘルプマン!

―気にはなりつつ「まだ先」と思っている人がほとんどです。

車椅子や寝たきりが要介護状態だと思っている人は多いと思います。しかし、重症化を防ぐ予防の段階で、生活支援をするのも立派な介護なんです。

高齢者の身体状態には、この一線を超えると一つ前の状態に戻れないというラインがいっぱいあります。だからこそ、そうしたラインの手前手前で適切なケアをすれば、自立した生活を長く続けることができるのです。

自宅で転ぶようになったらすぐにでもプロに相談したほうがいいし、信号が青のうちに渡りきれなくなったら、もはや要介護だと思ったほうがいいです。

判断を先延ばしにすると、介護は必ずひどいことになります。ちょっと危ないかなと思ったら、いろいろな人に相談しないと手遅れになります。

―何をどんな準備をしたらいいのでしょうか?

だからこそ、リクシスの「LCAT」という仕事と介護の両立支援システム(SaaS)を使ってもらえたら良いのですが(笑)。

このシステムは、介護が始まる前に必要となるエイジング・リテラシーを、それぞれの個人の状況に合わせて提供するものです。システムが会社で導入されている場合は、このシステムで介護の準備は完結します。

とにかく介護の準備で大事な要素になるのは「介護のリソース」「介護する人への理解」「介護についての知識」の3本です。システムに頼るにせよ、頼らないにせよ、これら3本を積み上げていくことが大事だと思います。

―「介護のリソース」とは介護を担う人のことですよね?

そうです。ヒト・モノ・カネ・情報という通り、他にも重要な点がありますが、まずはヒトです。

例えば、将来、親の介護をすることになるのは自分一人なのか、それとも兄弟姉妹や親類縁者なのかで、必要となる準備は全然変わります。ただ、介護をきっかけに兄弟仲が最悪になることも珍しくありません。本来なら、主たる介護者が決まったら、周囲はその人をどう支援していくべきかを考えるべきなのですが、こうした常識も残念ながらまだ浸透していません。よくあるのは、兄弟姉妹の中でも、親の近くに住んでいる人が、介護を押し付けられるという話です。

また、介護が始まる前から、介護のプロとつながっておくことも重要です。いざという時に、判断を助けてもらえるからです。さらに行政サービスについても使えるものはすべて使い倒すという心構えも大事でしょう。しかし、日本の社会福祉は基本的に申請主義なので、具体的にどのような介護サービスがあるのかについての知識も必要になります。

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