キャリア

AI革命を生き抜くためにビジネスマンが知っておくべき「3つの逆説」

田坂広志氏が考える、AI時代に必要なもの

AIにはできない事とは

世の中には「スキル倒れ」という言葉があります。プレゼンは上手いけれども、顧客の心が離れていくという人がいますね。なぜ、そうなるかというと、一つには、「上から目線」で話すからです。もう一つは、相手に売りつけてやろう、買わせようという「操作主義」的な意識が強すぎるからです。お客様にはそれが見えるから、結果として売れない。これが「スキル倒れ」という状態です。

こういう落し穴に陥っている人は、スキルだけを身をつけてもだめです。その奥にあるマインドやハート、スピリットやパーソナリティ、言葉を換えれば、心構えや心の姿勢といったものを磨かないとプロとして一流のレベルにはいけない、ということを理解する必要があります。

そして、これらを身につけるには、「反省」を習慣にすることです。IQや学歴はまったく関係ありません。日々の経験を振り返るという意味での「反省」を日々の習慣にしているか、経験したことから、しっかりと智恵を掴んでいるかこそが、問われるのです。

1日の反省はほんの5分でできます。たとえば、営業から帰ってきて、売れた、売れなかったということよりも、商談中にお客様の質問に上手く答えられなかった、お客様を不快な気分にさせてしまったかもしれない、といった振り返りをする。これを怠らない人は、経験が糧となってどんどん成長します。反省しない人はせっかくの経験を無にしてしまう。大きな差です。

第3の逆説「不器用が有利」

「反省」によってスキルやマインドを身につけることができれば、AI時代にも大きな競争力になりますが、さらに活躍するために、皆さんにぜひ身につけていただきたい能力があります。

それは「智恵の伝承力」です。皆さんが持っている素晴らしいスキルを、次世代に伝えることができるかどうか。正確に言うと、若い人がそのスキルを身につけるのを支えられるかどうかが重要です。

智恵の伝承力がある人を見ていると、共通のものがあります。それは「不器用である」ということです。今日ここに、自分のことを不器用だと思っている方がいらっしゃったら、「おめでとうございます」と言いたい。これは、皮肉でも嫌味でもありません(笑)。

不器用な人は、ひとつのスキルを身につけるのに大変苦労します。実は私も不器用で、ひとつの仕事を仕上げるのに、優秀な同僚の何倍も時間がかかっていました。

しかし不器用な人は、苦労している分、人に教えるのがうまいのです。私も教えることには自信があります。不器用だからこそ、不器用な部下の気持ちに寄り添って教えられる。なまじ器用だと、無意識に「何でできないの?」という感情が態度に出てしまって、部下もついてきてくれません。これでは部下をマネジメントできない。

不器用こそ有利。この逆説を、今日はしっかりとお伝えしたいと思います。

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