はじめに
大手チェーンのFCでもポイント還元
10月1日の消費増税に合わせて、キャッシュレス・ポイント還元制度が開始されます。これは、経済産業省が登録を許可した加盟店でキャッシュレス決済で料金を支払うと、支払う金額の一定率を消費者に還元するものです。
中小企業や個人が経営する小売り・サービス・飲食店の場合は還元率5%、大手チェーン店(コンビニ、ハンバーガーショップ)でもFC店が経営している店だと2%のポイント還元があります。
つまり、キャッシュレス決済によるポイント還元を考慮すると、消費増税分(2%)を打ち消すか、それ以上の還元があるわけです(2020年6月までの時限措置で、還元方法はカード会社などによって異なります)。
経済産業省が8月30日に発表した「キャシュレス・ポイント還元事業のキャッシュレス決済手段加盟店登録申請状況」によると、43万1,682店が登録申請を行っています。業種別では小売業が62%、飲食業が15%、その他サービス業などが24%です。
登録申請しているのは個人店の小売業やサービス業が多いですが、ガソリンスタンド、コンビニエンスストアと並んで、大手外食チェーンでは「マクドナルド」「壱番屋」「牛角」などのFCの申請が目立ちます。対象条件を満たす加盟店については、10月1日からポイント還元を開始できるようです。
内食に力を入れる外食企業は?
外食各社は近年、デリバリーに力を入れている会社が増えてきています。
たとえば、すかいらーくホールディングス(証券コード:3197)は2018年12月期のデリバリー売上高は215億円、2019年1~6月累計のデリバリーも前年同期比10.1%増と順調に拡大しています。配達員向けアプリを強化して、配達業務の大幅な簡素化、機械学習効果により、効率の良い配達ルートを提案する「ベテランルート機能」などを導入しています。
王将フードサービス(9936)は816億円の売上高(2019年3月期実績)のうち、17%がテイクアウトです。また、他のレストランが作った弁当などを運ぶシェリングデリバリーを強化しているライドオンエクスプレスホールディングス(6082)も、ビジネスチャンスが広がるとみています。
<文:企業調査部 鮫島誠一郎>