はじめに

電子レンジが火災を引き起こす原因とは?

電子レンジが火災を引き起こす事故も年々増加しています。電子レンジの機能には手動で加熱する方法と、自動で加熱する方法があります。非常に便利な「自動加熱」ですが、実は電子レンジの各種センサーは100g未満の食品や食材を検知することは一般的には難しいとされていて、誤探知もされやすく、食品や食材によっては加熱時間が長くなり、発煙あるいは発火させてしまう可能性があるのです。

そのような食品や食材を加熱する場合は、必ず「手動加熱」を選択してください。また、ジャガイモやさつま芋などは長時間加熱すると、爆発的な燃焼を起こすことが確認されています。大きさや量に関係なく、手動で加熱しましょう。

さらに、発煙や発火はお手入れ不足が原因の場合もあります。庫内に付着した油や食品などのカスをそのままにしていると思わぬ事故につながるので、日頃からしっかりお手入れするようにしておきましょう。

電子レンジが庫内で発煙した場合

万が一、電子レンジ庫内で発煙した場合に絶対に注意すべきことがあります。それは、決してドアを開けてはいけないということ。焦って、ドアを開けて発火しているものを取り除こうとし、衣類に着火して死亡事故に至った実例があります。

ドアは必ず閉じたままで、まず電源プラグをコンセントから抜いて、すぐに消火器などの消火器具を準備します。そのまま発火に至らなければ、充分に時間をおいてから安全な場所に電子レンジを移動し、メーカーサービスなどに連絡しましょう。

もし発煙で終わらず発火してしまった場合は、用意した消化器具で初期消火活動を行ない、119番通報を行なってください。とにかく発煙と発火に関係なく、かならずドアは閉めたままにしておくこと。これは絶対に覚えておいてください。

トイレにも危険な家電がある?

火災などを最も注意したい家電製品のひとつにトイレの温水洗浄便座があります。温水洗浄便座には一度発火すると消火がしづらいヒーターが使われています。ヒーターの発火の主な原因は"安全使用期間"を超えた使用による経年劣化にあるのですが、その期間を意外と知らずに使っている方が多いのです。

おおよそ1回における温水洗浄便座機能の使用時間は10秒から15秒と言われており、例えば男性2人、女性2人の4人家族の場合、想定安全使用期間は10年とされています。10年以上使っている場合は、買い替えの時期を迎えていると判断しても間違いではありません。便座ぶたを開けると、注意喚起や製造年などが記載された表示ラベルが貼り付けられてるので、確認してみましょう。

また、簡単にできるセルフチェックのポイントがあるので、こちらも併せて参考にしてください。

1.便座にガタツキが確認できる(便座の裏側に据えられているゴム足が欠損している)

2.便座が異常に熱くなる、異常に冷たい(季節で感じ方も異なるが「異常」と感じる)

3.便座にひび割れが確認できる※便座の表裏など目視できる箇所はすべて確認しましょう

4.配線がねじれているor配線カバーに亀裂などが確認できる(被覆内部の銅線が目視できる)

5.配線が熱くなっているor電源プラグの差込部が発熱・変色している ※大量の埃にも注意しましょう

6.アース線が取れかかっている ※取れかかっていると故障や漏電の際に感電するので注意しましょう

7.操作部のパネルなどがめくれている、ひび割れしている※被水に注意しましょう

8.製品本体から水漏れしている ※滴下していなくても、漏れた形跡に注意しましょう

もちろん、これら以外にも異常がないか、しっかりチェックしてください。ガタツキがある部分に段ボールの切れ端を差し込む、ひび割れしている箇所をボンドで固定する、被覆の亀裂箇所にビニールテープを巻いておく、水漏れしている箇所を硬化パテで覆うなど、ついやってしまいがちですが、素人判断で応急処置をすることは御法度です。

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