はじめに

もともとは自社のユニフォームだった?

2018年3月に発売したWWSは、もともとは水道工事を手掛ける会社が、社内の従業員用ユニフォームとして作りました。従業員が現場で着ているうちに、取引先から「自分たちの会社にも作ってほしい」という要望があり、アパレル会社を立ち上げたという珍しい経緯があります。

自社ユニフォーム
自社のユニフォーム開発がアパレル事業を始めるきっかけに

現在は、ごみ回収の作業員やマンションの管理人、酒蔵など250社のユニフォームとして採用されています。

ただ、企業用ユニフォームの製造は、専業のメーカーがあるほど参入障壁が高い分野です。幅広いサイズをそろえることに加え、大量の在庫を保管する倉庫、短納期に対応できる生産体制を整えなければならないためです。

オアシススタイルウェアは、法人向けだけではなく、個人客への販路も開拓しています。6月からは、東京・原宿のセレクトショップ「ABAHOUSE原宿店」でも常設での販売をスタート。初年度となる同社の2019年2月期の売上高は1億円を突破し、今期は3億円の売り上げを目指します。

レディースも紳士服売り場で販売する狙い

レディースのアイテムも増やしています。秋の新商品では、初めてスカートを投入しました。シルエットはタイトですが、スマートフォンがすっぽり入る深さのあるポケットと、スカートのウエスト部分の一部にズレ防止の滑り止めを付けて、あくまでも機能性にこだわりました。

レディース
レディースでもスマートフォンがしっかり入るポケットを実装

オアシススタイルウェアの広報担当者は「当初はパンツだけの予定でしたが、営業や事務の女性からスカートが欲しいという要望が予想以上に多かった」と説明します。

伊勢丹浦和店でも、紳士服コーナーでWWSのレディースアイテムを販売しています。婦人服フロアのほうが売れるのではないかという疑問がわきますが、家族連れやカップルで来店した人に一緒に買ってもらいたいという狙いがあるそうです。

不況にあえぐアパレル業界でも、比較的堅調なユニフォーム市場には、オアシススタイルウェアのような、異業種からの参入が増えています。「常連の会社役員のお客様に興味を持ってもらい、企業用ユニフォームとして導入を検討していただいているケースもあります」(関川さん)。

百貨店と作業服アパレルという、接点がなさそうな両者がタッグを組むことで、今後どれぐらい新規顧客を開拓できるでしょうか。

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