はじめに

税金をムリなく払うための仕組み

例えば、給与収入が年間400万円あり、社会保険料を50万円支払っている場合の所得税は約9万円となります。

このほかに、セミナー講師として副業収入が20万円あり、20,420円の源泉徴収税額があったとしましょう。この場合、確定申告は必須ではありませんが、もし申告をすれば源泉徴収税額のうち8,679円が戻ってくるのです。

副業収入が100万円、源泉徴収税額102,100円の場合でも、確定申告時の還付額は同じです。講師をする際にレジュメ印刷費用やセミナー会場までの交通費を負担している場合、これらは必要経費となりますので、戻ってくる税額はもう少し増えることになるでしょう。

また給与収入が年間500万円あり、社会保険料を70万円支払っている場合に、副業収入20万円、20,420円の源泉徴収税額があった場合、確定申告をしても税金の精算額はありません。

年収500万円で副業収入100万円、源泉徴収税額102,100円の場合は確定申告の際に納税額が発生しますが、その金額はわずか8,100円で済むことになります。こんなところからも、源泉徴収の仕組みの精緻さが実感できます。

後払いの税金には注意が必要

同じセミナー講師でも個人相手にセミナーを行って100万円の利益があり、源泉徴収税額がなかった場合はどうなるのでしょうか。

計算していただくとわかりますが、年収400万円の場合で約9万円の納税、年収500万円で約11万円の納税が、確定申告の際に発生することになります。

さらに確定申告の際に納税した金額が15万円以上となる場合は、7月と11月の年に2回、所得税の予定納税という制度も用意されています。これは源泉徴収と同じく、税金の前払いを行って無理なく納税するための仕組みです。

このほかにも源泉徴収の有無に関わらず、住民税には注意が必要です。年末調整や確定申告のデータを元に、住民税の計算は行われます。

平成28年分の確定申告を平成29年3月15日までに行ったわけですが、住民税はさらにその後、平成29年6月以降に納めることになるのです。しかもその税率は一律10%。副業利益100万円の場合、給与から天引きされる住民税のほかに10万円もの住民税を納めることになるため、納税資金をキープしておくことが必要です。

また副業といえども利益が290万円以上出ていて事業所得としての申告を行っている人は、事業税の納付も必要になります。こちらも後払いの税金となるのでご注意ください。

税の仕組みを知らなくても、サラリーマンなら年末調整で申告と納税が完結してしまう日本の税金。住宅購入をしたり、多額の医療費を支払ったりしなければ、確定申告とは縁のない生活かもしれません。

ところが、今は複数の収入を持つ人がどんどんと増えています。税金の仕組みを知り、確定申告と、その後にやってくる住民税の納付の際に慌てないよう、準備をしておきたいものです。

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