はじめに
実際にデータを分析してみると…
ダンスが取り上げられる記事数は、秋の「三笠宮杯全日本ダンススポーツ選手権」に連動して急増する月もあります。こうした季節性をならすため、毎月末までの過去1年間としました。
そして、前年の同じ月までの過去1年間と比べて、記事数がどのくらい増えたかを見ています。ですから、グラフがゼロよりプラスにあると、前年と比べて過去1年間の記事数が増えて、注目が高まったとみられます。今回の分析では、この値を「ダンス注目度」と呼ぶことにします。
一方、株価のデータは日経平均株価を使っています。ダンス注目度から将来の株価の動きが予測できると、投資にも役立ちます。そこで、日経平均は翌月から半年間の動きを見ています。実際の分析結果は、下図のとおりです。
グラフはダンス注目度のほうが9月末までになっていますが、日経平均はその時点から6ヵ月間の動きをみたものなので、直近は3月末までとなっています。たとえば、9月末から半年前でいえば、4月からとなります。この間で日経平均は550円高となりました。これが3月末の値となっています。
グラフは連動した推移を見せており、ダンス注目度が将来6ヵ月間の株価を予想する傾向となっています。なぜ、このような関係があるのでしょうか。
なぜダンスと株価が連動するのか
やはりダンスなどのスポーツが注目される時は、基本的には国民の所得が良く、金銭面などに余裕がある時と思われます。または余裕がない場合でも、そのスポーツに関連する産業への恩恵が期待されたり、あるいは国民が元気になる原動力が生まれたりすれば、将来的な経済の発展にもつながると思われます。
ダンスとなると、あまり気軽に始められるものでもありません。レッスンなどの費用がかかることも、裏を返せば金銭面での余裕を表してくれます。
その一方で、ダンスはゴルフなど限られた世代の嗜好に留まるスポーツでもありません。リトミック体操、ストリートダンスから社交ダンスに至るまで、幼児から年配までのさまざまな世代・立場の人が関心を向けられるものだからこそ、景気や株価との関係が強く表れるとみられます。
ところで、図を見ると、ここに来てダンス注目度が下がっているのは気掛かりです。しかし、来年の東京五輪の4年後に開催されるパリ五輪ではブレイクダンスが競技種目に追加されるなど、長期的な注目が期待されます。より長い視点で考えると、ダンスへの注目と連動した株高も期待されます。