はじめに
## 2018年末の急落を乗り越える
――投資スタイルが定まらなかったのですね。
デビューから半年が経った月に日経平均の先物取引を覚えました。たまたま先物を中心に取引されている投資家さんたちのLINEグループに参加することになったのがきっかけです。それまでは全体の動きを気にしていませんでしたが、先物の値動きを読むようになってからは、日経平均が大きく上昇している日は買わない、というふうに考えて投資するようになり、成績も安定してきました。
昨年末はマーケットが下がると読んで、一時的に資金を引き揚げノーポジションにしました。そのおかげで年末の急落に巻き込まれず、年間で10%くらいのプラスで終えることができました。年末に大損失を出して死んでしまった人をたくさん見てしまって、マーケットの怖さを感じつつも、「やっていけそうかな」と思いました。
――株式取引の勉強や情報収集はどのようにしていますか?
私の場合、始めた頃から色々な投資家の人たちから直接、話を聞くようにしてきました。たまたま入ったSNSのグループは本当にみんないい人たちで、いろいろ教えてくれるし、株も関係なくオフ会をして遊んでいました。フットワークが軽いし、面白いし、頭がいいし「すごいな~」って。投資についてはLINEグループで仲良くしている先輩に相談しています。
――どのようにして仲のいい知り合いをつくるのですか?
基本的に株のコミュニティーアプリで知り合っています。その中で全国の投資家の知り合いがたくさんできました。一人で勉強するよりもいろいろなタイプの投資方法や経験を聞いた方が勉強になります。仲良くなった人にはLINEで相談しています。
――成功している投資家から学ぶことはありましたか?
成功している投資家さんから学んだのは、ひとつはタイミングですね。いつ投資家から引退してもいいくらい資産のあるRさん。普段はガツガツ買っていませんが、昨年末に急落したときのように、ほとんどの人が怖くて手が出せないときに割安になった株をここぞとばかりに買って大きく利益を上げていました。成功している人の共通点は、注目している優良株が値下がりしたタイミングで買ったり、買い増したりして、何倍にも上昇したときにしっかりと売っています。
もう一つはファンダメンタルを重視していることです。私が知る中で、いちばん資産のある投資家さんのAさんはファンダメンタルズや成長性を徹底的に調べていました。何百銘柄も保有しているのに売上や利益の月次情報をしっかりチェック。株主総会の季節には1日に総会を何社もはしごして、経営者の話に耳を傾け、投資家グループのLINEに積極的に意見や情報を上げていました。上昇すると自信をもって買っているので、日経平均が大きく下げているような相場でもあせっていません。
――「師匠」の成績は?
師匠は、2018年は全然ダメでした。ハイリスクハイリターンの成長株が好きですが、業績や出来高が伴っていないので、突然、急落することもあります。それでも思い入れがあるので、損切りができずに負けてしまっていました。
周囲には市場から退場する人も
――新興株には浮き沈みが激しいですからね。
Sさんという女性は一時期(含み損が)700万円マイナスでした。大化けしそうな成長株にすごく詳しくて、私にとっては謎の銘柄をたくさん買っていますが、師匠と同じで思い入れが強くて損切りができないんですよ。塩漬けには耐えられるけど、少し利益が出たら売ってしまっています。
――テンガバーを目指すはずが売ってしまうのはもったいないですね。
利益を出し続けるのは難しいですね。最悪のケースだと、株を持っている会社の決算が悪くて1日400万円損したり、先物をしている人がトランプ砲に直撃されて5分で300万円を損したり、「しばらく相場から退場する」と姿を消す人もいました。