はじめに

株式投資を始めようと思っても、まず何からしたらよいかわからない――。どんな著名な投資家も最初は初心者でした。

投資を始めたばかりの人は、どのように失敗をしながら学んでいくのでしょうか。試行錯誤を繰り返しながら自分の投資スタイルを確立しつつある、投資歴1年半のあやさん(女性・30代)のケースを紹介します。


最初の2カ月は勝率100%

――株式投資をはじめたきっかけは何でしょうか?

株式投資は10年以上前から「やってみたい!」と思っていたんです。だけど、まとまった資金がないし、教えてくれる人もいなかったので、なかなか始められませんでした。きっかけができたのは1年半前。趣味のオンラインゲームを通して知り合った個人投資家の男性たちに「興味があるなら教えるからやってみなよ」と背中を押されて、証券会社に口座を開き、100万円を入金しました。

――売買はどのようにして覚えたのですか?

最初はオンラインゲームの仲間だった個人投資家の「師匠」からわからないことを聞いていました。取引のデビューでは自分もサービスを利用しているZOZOを「買うぞ!」と意気込みましたが、前日になって「やっぱりつまんないかな」と迷ってしまい、インターネットで有名な女性トレーダーの推奨銘柄から良さげなのを3つ選んで買いました。師匠に報告すると、「1つはまあまだけど、あとの2つは良くないね」とダメ出しされましたが、3つともめちゃ上がって、「オオッ!」と思いました。最高のデビューでした。

――ビギナーズラックでしたね。

そうなんですよ! 最初の1カ月は勝ち続けていました。取引はデイトレか短期のスイング。仕事が始まる9時半までに、投資家のSNSで話題になっている株に指値で注文を入れて、休憩時間にチェック。上昇していたら売って、マイナスだったら様子見して、利幅を取りに行っていました。儲かるよりも損をするのが怖いので「ここでいいや!」って小さな値幅で利益確定していました。20円から200円の値幅で、2,000円から20,000円プラスになればそれで充分でした。

「月5%利益を出せたらいいな。それくらいならいけるかな」と思っていたのですが、師匠からは「5%8なんてヘッジファンドでも難しいんだから、そんなにうまく行かないよ」と言われました。実際、勝率100%だったのは最初の1~2カ月だけでした。

相場の悪化とともにマイナスに

――ビギナーズラックの後は、どのように売買をしたのですか?

デイトレを経験した後、次はもう少し長く持ってみようと中長期投資も始めてみましたが、全然うまくいかなかったんですよ。わかっていなかったというか。特に好きなジャンルもなく、業績のようなファンダメンタルズにも興味がもてなくて、チャートや出来高といったテクニカル面ばかり見ていましたから。2018年は5月に「セル・イン・メイ」が起きて、夏枯れ相場となり、株価も全体的に下がってきて、私の成績もマイナスに転落しちゃいました。

その頃は下がったらすぐに損切りしていました。マイナスが出ると、どこまで下がるんだろうと怖くなって。損切りすれば、もうそれ以上、損することはないですから。新しい銘柄に乗り換えたり、またデイトレに戻ったり、迷走していました。

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