はじめに

意外に底堅い大企業・中小企業の非製造業

景気は輸出・生産に弱さがみられるものの、内需はしっかりしていて緩やかな回復局面が続いているとみられます。

9月調査の日銀短観でも、そのことが裏付けられました。大企業・製造業・業況判断DIは+5と3期連続悪化、6年3ヵ月ぶりの低水準になりました。しかし、9月下旬の米中協議への進展期待もあり、前回比2ポイントの小幅な悪化にとどまりました。

なお、先行きのDIが+2に悪化しましたが、こちらも先行きが見えない米中貿易戦争に起因する世界経済減速懸念などを反映したものでしょう。

一方、大企業・非製造業・業況判断DIは+21で、2期ぶり悪化。消費増税の影響で先行き+15に低下しますが、水準は2ケタのプラスで、なお高い状況です。中小企業・非製造業・業況判断DIは+10で前期比横ばい。5期連続2ケタのプラスで、底堅さを示唆しています。

なお、大企業・中堅企業・中小企業と製造業・非製造業の3×2の6つのカテゴリーで、6月調査の先行き判断を下回ったのは大企業・製造業だけ。他の5つは、事前の予想より良い結果となりました。

日本シリーズの顔合わせは景気に追い風

このように現在、景気の先行きは微妙な情勢といえます。こうした状況下で期待されるのが、明るい話題による心理面からの景況感の下支えです。

プロ野球セ・リーグは8年ぶりに巨人が優勝しました。これで昭和、平成、令和とそれぞれの時代の最初の優勝は巨人となりました。阪神戦に開幕から6連勝しており、「5連勝以上であればリーグ優勝できる」というジンクス通りの結果になりました。

なお、平成・令和とセ・リーグの巨人優勝が、パ・リーグの近鉄と西武の優勝決定よりも早いのです。令和元年も巨人の優勝決定後に、パ・リーグで西武が優勝しました。

この結果、クライマックスシリーズには、セ・リーグからは巨人、パ・リーグからはソフトバンクが勝ち上がりました。実は、日本シリーズの対戦カードとその年シーズン前のランキング合計との間に不思議な関係があります。

1986年から2018年のデータでランキング合計が2~5の人気球団がからんだ組み合わせは19回ありますが、景気拡張局面18回、後退局面1回、暦年の実質経済成長率の平均は1.84%。これに対し、ランキング合計が7~8の組み合わせは8回で、景気拡張局面3回、後退局面5回、暦年の実質経済成長率の平均は1.06%です。

しかも拡張局面3回は、すべて下剋上による日本シリーズ進出の年です。日本人の判官びいきの影響で、にわかファンが増えるのでしょうか。ランキング合計が6の組み合わせは6回で、景気拡張局面3回、後退局面3回、暦年の実質経済成長率の平均は1.53%と2~5と7~8のちょうど間になります。

今年は、人気ランキング1位同士の対戦なので、ランキングの合計は2となり、日本シリーズの期間が景気の拡張局面になる可能性が大きくなりました。なお、米国のメジャーリーグでもア・リーグ東地区でニューヨーク・ヤンキースが優勝するという、米国景気にとって明るい材料が出ました。