はじめに

なぜ温室効果ガスより関連性が強いのか

表で示した収益率は、2010年以降でさらに平均しています。結果は、事前に予想どおりとなりました。「減らした」企業の平均株式収益率(その後1年間)は21%となり、「それ以外」の13%を上回りました。

【東証1部上場企業のゴミ削減の有無とその後の平均株式収益率】

減らした企業 それ以外の企業
その後1年間 21% 13%
その後3年間 79% 58%

(注)「その後1年間」は2010年以降、8月末での東証1部企業の排気量合計÷売上高が3年前と比べて「減らした(0.1ポイント以上)」と「それ以外」で分類して、その翌月から1年間の株式収益率の平均をさらに時系列で直近まで平均。同様に「その後3年間」は翌月から3年間の株式収益率の平均をさらに時系列で直近まで平均
(出所)Bloombergのデータを基にニッセイアセットマネジメント作成

さらに、長期的な株式パフォーマンスを見るために、その後の3年間の収益率の平均も見てみました。こちらも「減らした」企業の平均株式収益率(その後3年間)は79%となり、「それ以外」の53%を上回りました。

実は、冒頭で紹介した9月27日の連載の「温室効果ガス削減」の調査では、3年間の長期的に見た収益率の平均は「減らした」企業のパフォーマンスが良かったのですが、1年間の短期的な株価パフォーマンスは傾向が明確ではありませんでした。

この点は、今回のゴミ削減のケースと大きく異なっています。やはり、ゴミ削減のほうが企業の環境問題に対する自主的な対応姿勢の表れの傾向が強いからかもしれません。

また、ゴミ削減は企業の効率性とも関連します。身近な例で考えてみましょう。近年はゴミ削減の一環でペーパレス化を目指す企業も増えています。たとえば、会議の資料を配布せず、個人が持ち込むパソコン上で資料を閲覧する企業もあります。

こうすることにより、印刷物を減らすこともできますし、印刷するための労働コストも減らすことができます。ゴミを減らした企業が長期だけでなく、短期的にも株価パフォーマンスが良い傾向なのは、こうした企業の効率性が高いということと関連しているのでしょう。

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