はじめに
今は「買い時」?
――今は株の買い時ですか。消費増税の影響も当面は懸念されると思いますが。
経済指標からは景気は悪化する可能性が高いですが、景気の悪化とともに業績も落ち込み株価が下がるのは仕方がないとして、業績がいいのに全体のマーケットにつられて下がっている、もしくは横ばいで割安になっている銘柄も増えています。そうした意味では買い時とも言えますね。
――不況を表すようなデータが出ると株価が急落する場合もあります。初心者はどのように対応するべきですか?
長期投資は目先のことは気にしない方がいいですね。そのためには情報を遮断するようなこともします。業績と割安さだけに注目して、そこだけを見る。
「最近、日経平均が下がっていますね」と言われても、「あ、そうなんだ。世の中は」と思えるくらいでいられたら最高ですね。私のような投資家は下がってくれて買い場ができないとチャンスがありませんからね。
――確かに好不況は波があります。一喜一憂せず悠然とかまえていればいいのですね。
どんなに優良な成長株でも10%や20%下がることはざらにあります。相場全体が下落しているときに優良株が下がっていたら、買いのチャンスです。自分の株が2割下がっていても、もっといい株が5割下がっているかもしれない。そうしたときは2割下がった株を売って5割下がっている株を売る。もしくは株価が2割下がった株を売って、2割上がっているけど、業績が倍になっている株を買う。これがいちばんいいかもしれません。下落局面ではすごく業績がいいのに株価が上がっていない株がありますから。
今よりももっといい株に買い替えていくことで、ポートフォリオの質を高めていくのが理想です。
――エナフンさんの長期投資のお話を聞いていると、不況も怖くなくなりますね。
株価が10倍になることは本当にありますからね。10倍を獲得できたら本当にサラリーマン生活は楽になるし、老後の不安も小さくなりますよ。
――人生が変わりますね!
株式投資は経済面以外にも人生にもいい影響を与えますよ。ビジネスパーソンには伸びている会社を見抜く練習にもなります。株式投資をすることで、世間で伸びると言われている会社が、たいしたことがないとわかったり、一方で、意外な会社がマーケットで受け入れられていることを知ったりすることができます。「思い込み」を修正する習慣がつけば株でもビジネス力でも成功する可能性が高くなります。本格的にしなくても、たしなみとして多くの方に株式投資をしてほしいですね。