はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、結婚資金として100万円を貯めたいという25歳女性。しかし月2万円の貯蓄ではなかなか貯まりません。目標を達成するためには何から手をつけたらいいのでしょうか。FPの前野彩氏がお答えします。
〈相談者プロフィール〉
・女性、25歳、未婚
・職業:会社員
・居住形態:賃貸
・毎月の手取り金額:20~21万円
・年間の手取りボーナス額:10万円
・毎月の支出目安:約18万円
【支出の内訳】
・住居費:6万円
・食費:3万円
・水道光熱費:1.2万円
・教育費:なし
・保険料:なし
・通信費:1.4万円
・車両費:なし
・お小遣い:3万円
・その他:3万円
【資産状況】
・毎月の貯蓄額:2万円
・現在の貯蓄総額:61万円
・現在の投資総額:なし
・現在の負債総額:なし
前野: 結婚したい方に出会えたとのこと、おめでとうございます! 新生活に向け、貯蓄意識が高まっている今のうちに、楽しく貯蓄ができるしくみを作りましょう。家計改善のポイントは、「支出を減らす」「収入を増やす」「お金を育てる」の3つです。
目標を明確にすることから
貯蓄のコツは、「いつ」「何に」「いくら」必要か、の3点をはっきりさせることです。
「結婚のために」「100万円」は明確になっていますから、「いつ頃結婚するのか」の仮目標を立てて準備しましょう。
参考までに結婚にかかる金額をお伝えすると、婚約から結婚式、新婚旅行にかかった費用の平均総額は、約467万円です(ゼクシィ調べ)。これをすべて新郎新婦が準備するとなると大変ですが、実際には、ご祝儀などのもらえるお金もあります。友人などからもらうご祝儀の平均額は約233万円、そして、親からの援助などは両家合わせて約195万円です。支払うお金ともらうお金の差し引きをすると、単純計算では、最終的な二人の自己負担は39万円になります。ただし、実際には、結婚費用や旅行代金などは、前払いが大半です。
また、一緒に住む家の準備金として、敷金礼金や引っ越し費用、家具・家電製品なども必要です。住まい関連費として、家賃の半年分を目安に二人で準備することを考えると、ご相談者さんの「結婚資金100万円」は、適切な金額といえそうです。