はじめに

どれだけ自分を律することができるか

最後に、2つの格言を紹介します。

「とにかく株式市場を全部買え。一旦株を買ったら、株式市場というカジノからは離れてそのままでほっておきなさい。市場全体が入っているポートフォリオを永遠に持てば良い。インデックス・ファンドの役目はまさにそれだ。この投資哲学はシンプルで洗練もされている上にベースとなる数式は否定のしようがない。しかし、この規律を守ることは簡単ではない。」

「とにかく真っすぐと航路を守れ。何があっても、決めた航路に沿って進むのだ。私は何度も「航路を守れ」と言ってきたが、毎回本気で言っている。私が提供できる投資ウィズダム(知恵)の中で最も重要だ。」

この格言は投資初心者に限らず、この数年で積立投資やインデックス投資を始めた投資家の皆さんにも共有したいと思います。なぜなら、この数年はアベノミクスで基本的には相場は右肩上がりだったことと、リーマンショックのような大きな下落相場を経験していない人がほとんどだからです。

2つの格言に共通するのは、いったんインデックス投資を開始したら、相場の変動に惑わされることなく、ずっと持ち続けなさいということ。言葉にすれば非常にシンプルですが、実際に自分のお金を運用していると、とてつもない急落や、長く続く下落相場をみていると、不安心理が強くなりすぎて、どこかのタイミングで損切りをして投資をやめてしまう人が多いのです。

しかし、それは非常にもったいない行動です。相場は常に上下に波を打つわけですから、その動きに一喜一憂するのではなく、腰を据えて投資に臨みましょう。そのような観点からすれば、原則60歳まで引き下ろせないiDeCoは長期的視点における資産運用にとっては相性のいい制度なのかもしれません。

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