はじめに

かつてのお家芸で気を吐く分野

2017年のCMOSイメージセンサーの世界シェアはソニー(証券コード:6758)が52%と、2位以下を引き離しています。同社は特にスマートフォン用で高い競争力を有し、カメラ複眼化の恩恵を受けています。

CMOSシェア

かつては日本のお家芸だった半導体。メモリの分野では韓国や台湾メーカーの攻勢に押され、世界トップシェアを明け渡し、今日に至ります。一方、イメージセンサーは構造が複雑なことから、参入障壁は決して低くないようです。

ソニーにはこれまで生産してきた技術の蓄積があり、優位性が高いと考えられます。足元では積極的な研究開発と設備投資を実施し、旺盛な需要を取り込むとともに後続を突き放す構えです。

また、カメラ関連では、イメージセンサーの製造に用いられる光源装置を手がけるインターアクション(7725)や、レンズの原材料を手がける田岡化学工業(4113)などの競争力も高く、成長が期待されています。

5G普及で半導体の成長余地は?

イメージセンサーの需要拡大を牽引すると注目されるのが、第5世代移動通信システム(5G)です。

2019年に入り、米国や韓国、中国などの地域では一部の通信キャリアで5Gを用いた移動体通信サービスの提供が始まっています。5Gは現状の4G-LTEと比べて通信速度や容量、処理能力などが格段に向上し、特に上りの高速化が大きく進みます。

5Gの導入が広がれば、スマートフォンに限らず、さまざまな機器がネットワークとつながる社会が実現します。カメラはネットワーク上の情報収集で重要な役割を果たすと見られ、防犯や防災、医療、製造現場、自動運転など、さまざまな分野でカメラの活用が進むことが期待されます。

2020年以降に5Gの世界的な普及局面を迎えることで、半導体では先端分野における開発と製品化が活発化しているようです。カメラが人間の眼のように、コミュニケーションの役割を果たすようになることは、そう遠くない未来の話かも知れません。

<文:投資情報部 及川敬司>