はじめに

「嫌なことでもあったんですか」

「秋田さんはいらっしゃいますか?」
「少々、お待ちください」
「お電話変わりました。秋田です。」しかし声の主が明らかに違います。
「声が変わりましたね。あなた、本当に秋田さんですか?」
「ええ」
「それでは、私が先ほど、何を言ったか覚えているよね、言ってみなさいよ」

ちょっとした沈黙ののちに、「私は秋田じゃないです」と言います。「そうでしょう。嘘を言わないでください。なんで嘘をつくんですか」そして、再び、契約をするか、しないかの口論が始まります。

「じゃあ、やめますか?」
「そうじゃなくて、あなたの住所を知りたいのです!」
「やりますか。どっちですか」

もはや会話が成立していません。私の追及をかわそうと、男は「なんでそんなにストレスたまっているんですか? 嫌なことでもあったんですか」と言ってきます。あまりに「何があったんですか?」を繰り返すので、「あなたに嘘をつかれたの。それがストレス」と言うと、再び、ガチャリと電話は切れました。

この種の業者は、「必ず儲かる」という、法律に抵触するような誇大広告を出して、興味を持った人を誘います。しかし、相手の言う住所も嘘で、しかも平気で他人に成りすまして電話応対をするなど、すべてが嘘で塗り固められています。他にも「儲からなかったら、返金しますので、ご安心ください」とも話していましたが、到底、信じられるはずもありません。

あの手この手で、契約に「はい」と言わせようとする、悪質な業者には、ご注意のほどを。

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