はじめに
人の言うことは千差万別
「株の師匠が○○を買っておけ」と言っていた、というような話もよく耳にします。しかし、こうした場合はたいてい株価が上がることはありません。江戸時代の米相場の教えとしても、「見ざる、言わざる、聞かざる」ということが言われています。
つまり、人にあれこれ言ったり、人からあれこれ言われたり、ということは控えたほうが投資はうまくいくということ。
往々にして、皆が「これはよい」と言い始めると上がらないということもあります。考えて見れば当たり前の話なのですが、皆がよいと言うということは、すでにその株を多くの人が買っています。もちろん、皆が買ったことによって、よいと思う人が増えることもあるのですが、基本的にはほかの人がよいと思う前に買うことが大切です。
そして、皆、投資の期間も違いますから、「短期的には動きそうもないから売っておこうという人」「ほかの株を買うために売ってしまうという人」「現金化したいから今うちに売るという人」、それぞれの売り買いは千差万別。
ひと言で「よい」と言っても、思惑はさまざまです。やはり投資の世界では「自分で決める」ことが本当に大切なのです。
最近はインターネットや新聞でも、恐怖感を煽り、リスクばかりを強調するニュースが取り沙汰されることも増えています。まずは周りの雰囲気に飲まれないように気をつけましょう。
そして、市場の情勢や金利や株価、世界情勢やそれに伴う大きなお金の流れなどを考えて、自分で判断すること。そうして、損したり得したりしながら、収益を上げることを目指すのが投資です。
もし、「投資する」ことが目的ではなく、「利益を出す」ことをより追求したいのであれば、それなりの対価を支払ってプロに判断してもらってもよいでしょう。ただし、相場は常に不確実なもの。プロだからといっても必ず利益が出せるというものではありません。つまり、儲からないリスクが常にあるということを認識しておいてください。