はじめに
リスクが重篤化する前に支援することで「孤育て」の解消を
浦安市で「切れの目ない支援」を実施したことにより上がっている効果としては、妊婦や保護者と面談する機会を重層的に作ったことで、不安や孤立感を早期に解消するとともに、リスクが重篤化する前に必要な機関に繋ぐことができているといえます。
虐待などの深刻な事態に陥ってしまうよりも、もっと前の段階で、必要なサポートやケアをすることで、虐待防止に資することができているのではないでしょうか。
また市の子育て支援サービスの説明を直接聞くことができ、一部に子育て支援チケットが使えることによって、市のサービスを利用しやすくなっているといいます。
今後の展望としては「子育てケアマネジャーや保健師の確保や質の担保に努め、子育てケアプランを作成する妊婦や保護者の意見を聞きながら、さらに利用しやすいものにしていきたい」そうです。
子育ての継続的なサポートが全国的に広がりつつある
そのほかにも、北海道千歳市や埼玉県和光市、三重県名張市、山口県周南市や鹿児島県日置市などで、ネウボラを参考とした子育て支援策が行われています。
虐待が起きてしまってからの対策も、もちろん必要です。
しかし、そもそも虐待が発生してしまいかねない状況を、未然に防いでおくことこそ、いま求められているのではないでしょうか。
そのためには、虐待をしてしまいそうなほど子育てがつらくなってしまう前に、妊娠中から、信頼できる支援者によって、継続的なサポートがなされることが望ましいでしょう。
ネウボラのような子育て支援が広まり、すべての親が安心して子育てのできるあたたかい社会が実現されることを願ってやみません。