はじめに

家族のおこづかいにも範囲を明確にすること

おこづかいの出どころは、「家計」です。この家計は家族の共同の資産だとすると、おこづかいは各々が自由に使うことができるお金だと考えています。

親や子どもが、それぞれに決められたおこづかいを家計からもらって、そのお金の管理の責任を負うことになります。子どものおこづかいといえども、基本、子どものプライベートなお金(資産)と考えるべきでしょう。

おこづかいは、家計から独立した個人のお金なので、やりくりする範囲を任せることで、家計管理もラクになります。私はマネープラスのFP相談で、変動する費用については個々のおこづかいに含めて管理させるようにしなさいというアドバイスをよくします。

家計の収入には限度がありますから、家族があれもこれも自分の事情で家計から支出してしまうと、いくらお金があっても足らなくなってしまうからです。

おこづかいの管理に工夫が生まれる

そこで、散髪・美容院代、交際費や図書費、交通費など各々の生活活動によって変動する費用をおこづかいに含めれば、あとから家計に請求することがなくなります。洋服や靴代など被服費も管理できるようであれば、おこづかいに含めてしまうという手もあります。

そうすることで、各々の責任感がぐっと増します。また、そのお金を無駄にしないように、より良いものを賢く購入しようという工夫が生まれてきます。

たとえば、親であれば、デパートの友の会に入会することで、積み立てた金額を被服や靴の購入に充てることができます。また、普段のちょっとした買い物なら、キャッシュレスを活用し、割引やポイントの恩恵を受けることもできるでしょう。

逆に、今までは趣味に使っていたお金を我慢してお金を貯めようかな、という意識も生まれるかもしれません。

ただし、医療費はかかった毎に精算するようにしています。医者にかかることを節約してしまい、大病を患ってしまっては大変だからです。

メリットは家計管理の時短化

この方法の最大のメリットは家計管理をする人の負担が減ることです。毎月、決まった固定費用を振り分けるだけで、手間がいらないというのは家計管理の時短になります。

私は家計簿をつけません。ただし、簡単な出口管理をしています。毎月、家族の誰に、どの金融機関にいくらを支出するのかだけを管理しています。

忙しい毎日の中で、買い物をした記録を付けたりするのは、大切な時間を取られてしまうだけではなく、気持ちも前向きになれません。

子どもが自分のおこづかいで自分の責任のもとお金を管理してくれるようになることは家計を管理する者としてうれしい限りです。

また、将来、お金を稼ぐようになったときに、お金の管理に戸惑うこともないでしょう。もちろん、親も自分のおこづかいを家計からきちんと取ることで、やりくり意識が向上できそうですね。

わが家では、11月はおこづかいの見直しをする月になることが多いのです。まもなくその年が終わりそうな時期で、しかも、来年からどうするかを話し合うちょうどよい時期ともいえます。

皆さんも、この時期、家族みんなが家計の意識改革を考えられるように、おこづかいを活用してみませんか。

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