はじめに

ヨーロッパのテロイメージが払拭

ヨーロッパに注力する別の背景として、利用者のヨーロッパに対する心理状態の変化もあります。2015年に起きた「パリ同時多発テロ事件」の影響で、一時はヨーロッパへの旅行人数が減少していましたが、現在は元に戻りつつあるといいます。「テロのマイナスイメージが完全に払拭できている」(遠藤事業部長)。

座席供給数の大幅な増加も、理由の1つです。羽田空港で発着枠増枠があり、関西国際空港発着のヨーロッパ路線も拡大。それによる新規就航路線をいかに活用するかがポイントといいます。

「ラグビーワールドカップや来年の東京オリンピックで欧米からの訪日需要が強く、欧米路線が増えている。これはアウトバウンドにとっても、強い追い風になっていく。活用できる座席があるので、取り組みを強化してキャッチアップしていきたい」(同)

2020年度の目標は、売り上げが2019年度とほぼ同額、人員は7%増。「ハワイプライド宣言」と銘打ち、ハワイに関してもグローバル・デスティネーション・キャンペーンの対象だった今年度と同規模のキャンペーンを展開する予定です。

東京オリンピック開催期間中は「海外旅行控え」が懸念されますが、先行発売ではハワイに関して前年実績を大きく上回り、「海外旅行に行く需要が確実にあると実感できた」(同)といいます。

インバウンドとともに盛り上がりを見せてきたアウトバウンド。オンライン旅行会社にはない商品の力で、ユーザーを取り込むことができるでしょうか。

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