はじめに

決済方法はキャッシュレスオンリーの「現金お断りの店」として話題になった「GATHERING TABLE PANTRY(ギャザリング テーブル パントリー)」。ファミレスチェーン「ロイヤルホスト」を展開する、ロイヤルホールディングス(HD)が運営するレストランです。

2017年に出店した東京・馬喰町の店舗は研究開発店舗でしたが、東京・二子玉川に12月24日にオープンした店舗は、「GATHERING TABLE PANTRY」としての商業展開を前提に見据えたもの。完全キャッシュレスの店はどう進化したのか、23日に開かれたメディア向けの内覧会の様子から探ります。


今度は現金派も利用できる

複合施設「二子玉川ライズ」のバーズモールにオープンした同店。料理の注文から決済まで、店員に渡されたiPadを使って済ますことができます。

利用客は食事をした後にクレジットカード、電子マネー、QRコード決済8ブランドから決済手段を選択します。QRコード決済の場合は、iPadのカメラに利用客のQRコードをかざすと決済が完了。すると、店員のスマートウォッチに通知が飛びます。

GATHERING TABLE PANTRY

馬喰町の店舗では、QRコードによる「セルフテーブル決済」を導入した2018年6月当時は決済比率がクレジットカード:55%、電子マネー:41%、QR:4%でしたが、2019年11月はそれぞれ41%、33%、26%に変化。QRコード決済の利用が急激に増えているといいます。

二子玉川の店舗は、新たに「楽天Edy」のチャージができる機械を設置。どうしても現金を希望する人は、店員から楽天Edyを利用できるカードを受け取り、チャージと支払いができるようになりました。

GATHERING TABLE PANTRY

ロイヤルHDの野々村彰人常務は「現金が良いと言われる方、履歴が残るのを嫌がる方もいた」と、事情を説明します。

キャッシュレスから「チェックレス」へ

また、楽天技術研究所の顔認証技術を応用した「楽天ペイ」の実証実験を期間限定で実施します。利用は楽天グループの従業員に限定されますが、事前にスマートフォンに顔写真を登録しておくと、iPadに顔をかざすだけで会計を済ませられます。

GATHERING TABLE PANTRY

完全キャッシュレス、セルフ決済、顔認証決済と、決済を進化させてきたロイヤルHDですが、2020年以降は「チェックレス」を目指すと、野々村常務は言います。サンフランシスコで「Amazon Go」で人々がサンドイッチを買う様子を見て、「今後レジに並ぶことはなくなると想像した」からだそうです。

さらに、予約・顧客台帳サービスとPOSを連携させており、今後は前回来店時に注文したものをオススメができるような仕組みを整える予定です。

火と油を使わない店内

二子玉川で提供する料理のコンセプトは「フレッシュ&フローズン」。セントラルキッチンで作ったショートパスタやハンバーグ、煮込み料理などを冷凍したフローズンミールを使用しています。

GATHERING TABLE PANTRY

セントラルキッチンの商品には「調理時間が短い」「賞味期限が長い」「食卓でレストラン料理」という特徴があるそうです。店舗のキッチンには、スチームオーブン、IHヒーター、スービークッカーなどの調理機器だけで、火と油は一切使用しません。

GATHERING TABLE PANTRY

楽天の農業サービス「Rakuten Ragri」のオーガニック野菜を今回から導入しており、「セントラルキッチンの手間かけた商品と、フレッシュな素材の力を組み合わせることで、専門店に負けないレストランを展開していく」としています。客単価は2,200円、メインターゲットは30〜50代を想定しています。