はじめに

帰省の交通費も節約志向?

前出のシュフーの調査によると、消費増税による影響を受けているもう1つの出費が「帰省の交通費」です。「帰省先の宿泊をやめ日帰りにする」(40 代)、「ガソリン代が高くなるので公共交通機関を使おうか迷っている」(30 代)と、例年より帰省の費用を抑えようとする動きもあるといいます。

その結果、「年末年始を通した、もっとも高い出費は何になりそうですか?」という質問に関して、「帰省の交通費」が昨年の1位から3位にランクダウン。代わりに昨年3位の「お年玉」が今年はランクアップして、年末年始を通したもっとも高い出費となったといいます。

お年玉に関しては「ケチなことはしたくはない」(50 代)という声があるといい、消費増税でも子供のお年玉は減らしたくない心情が表れているのかもしれません。

世帯年収減でもお年玉の額は変えず

住信SBIネット銀行が12月20日に発表した「お年玉に関する意識調査 2020」を見ても、「お年玉をあげる予定がある」と答えた人は67.8%と、前年調査結果(67.3%)からほぼ横ばい。お年玉の平均支出予定額も2万6,642円と、前年の2万6,166円とあまり差はありません。

一方で、2019年の世帯所得が「減った」と回答した人が24.8%と約4分の1を占めており、「世帯年収が減ってもお年玉の額はなかなか変えられない様子がうかがえます」と、同行は分析しています。

頭を悩ませがちな年齢ごとのお年玉の相場に関しては、未就学児「1,000円以下」、小学校低学年「3,000円以下」、小学校高学年「5,000円以下」が最多。中学生になると「〜5,000円」派と「〜1万円」派に分かれ、高校生以上になると「〜1万円」が相場といいます。

つまり、子供の年齢が上がっていくにつれて、お年玉の相場の水準も切り上がっている様子が読み取れます。その結果、お年玉の金額は下方硬直的になり、世帯年収が減ったり、増税による負担が増えたとしても、金額を簡単には減らすことが難しくなっているようです。

例年であれば財布のひもが緩くなる年末年始ですが、消費増税が家計に影を落としています。2020年は東京五輪など注目のイベントが盛りだくさん。これらをテコに、消費を回復させることができるでしょうか。

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