はじめに

ローカルに潜り込めば食費も格安だが……

庶民たちの暮らしに紛れ込めば食事は格安です。

屋台や安食堂で、麺料理だとか日本でも人気のカオマンガイやガパオご飯を食べれば50バーツ(約180円)前後。タイ人でわいわい賑わうオープンエアの大衆的な店でトムヤムクンやイサーン(タイ東北部)料理をずらりと並べ、みんなでシンハビールを飲んでも、一人せいぜい500バーツ(約1,800円)くらいでしょうか。

タイの場合スーパーマーケットではない生鮮市場に一般人が入ることができて、まさに庶民の台所となっていますが、こうしたところで食材を買い込んで自炊すればさらに安上がり。調味料だけ日系スーパーで買ってくれば和食も手軽につくれます(ただし、安いアパートはキッチンそのものがない場合がある。その場合カセットコンロなどを用意する必要があります)。

こうした店でお好みの料理を持ち帰って部屋で食べるタイ人が多い

こんな市場や、雑多な屋台が並ぶ商店街は、なんだか懐かしい風情に満ちています。売り子たちの呼び声、走り回る子供たち、夕食の買い物をするおばちゃんたち。所狭しと行きかうトゥクトゥクやバイクタクシー……騒々しいけれど、どこか温かさもある、「三丁目の夕日」的な賑わいなのです。

この風景に溶け込んで生活できる人であれば、5万バーツはむしろ非常に豊か、使いでのある額と言えるでしょう。現地採用としてタイで生きるには、当然ですが土地に馴染み、適応していく、ある程度のタフさが求められるのです。

こうしてタイ料理と日本食とを、懐事情によって組み合わせて暮らしていくことになるでしょう。

加えて、バンコクは国際都市です。ヨーロッパやアメリカ、中東、インド、中国や韓国など世界の料理が(日本食と同じくらいの値段ですが)食べられます。「食」に関しては不自由しない街です。

ただ、持って生まれた日本人のDNAか、やはり毎日毎食ずっと食べ続けても飽きないのは日本食、という人が大半であるのも確かです。タイ料理も確かにおいしいのですが、スパイスとハーブの効いた料理を主食とするのはちょっときついと感じる人も多いでしょう。

だから現地採用としてタイで生きるなら。「いつでもとんかつを食べられるくらいの」余裕は持ちたいもの。そのためにはより良い待遇の職場を求め、ステップアップすることも必要となってきます。