はじめに

生活の大きな基本のひとつ「食」。海外で暮らすとなると、食事が心配になるものです。日本食はあるのか、現地の食事はおいしいのか、値段は、衛生面は……。

しかしタイでは、日本と同様かそれ以上に、満ち足りた食生活を送ることができます。というのも、タイはいまや世界でも有数の「日本食が充実した国」なのです。


「日本食大国」タイ

経済成長を遂げたタイでは、外食などのレジャーを楽しむ中間層がこの数年で一気に増大しました。彼らが飛びついたのが日本食です。日本人が外食としてイタリアンや中華に親しんでいるように、タイ人は日本食を好んで食べています。

ひと昔前はあやしげな日本食モドキも多かったのですが、いまではだいぶ洗練されてきており、味つけもしっかりしてきました。加えてこの状況をチャンスと捉えた日本の飲食チェーンが怒涛のようになだれ込んできたのです。

例えばバンコク中心部スクンビット通りのアソークに立つ人気モール・ターミナル21の中には、モスバーガー、吉野家、ココ壱番屋、ペッパーランチ、大戸屋、てんや、やよい軒、かつや……といったチェーン店がずらりと並び、もはや壮観ですらあります。こうした店でタイ人が食事を楽しむ時代になっており、在住日本人もその恩恵に預かれるというわけです。

もちろんチェーン店ではちょっと、というタイ人だってたくさんいます。2013年からタイ人はビザなしで日本に観光旅行できるようになりましたが、そこで本場の味を覚えた人々が、本格的な和食を求めるようになってきました。そんな層に向けた、ややグレードの高いレストランもたくさんあるのです。

もともとタイには7万人を超える日本人が住んでおり、日本食というマーケットはそこそこ大きな規模でしたが、タイ人の流行と相まっていまや食べられないものはない、とさえいえる状況です。

ラーメンなら北海道から九州までさまざまなご当地ものがあるし、居酒屋に行けば内装もメニューも日本そのまま、蕎麦でもうどんでも焼き肉や日本風の洋食でも、懐石でも寿司でも、そのほかおよそ考えつく日本食はたいていバンコクにあるのです。

バンコクの日本人街の中心地ともいえる、スクンビット通りソイ33/1のフジスーパーを見てみましょう。品ぞろえはもう日本のスーパーと変わりません。特売のチラシが踊り、季節ごとの食材も売られ、年末年始にはおせちや鏡餅だって並びます。納豆や醤油、みりんや味噌など基本的なものは何種類もあり、選ぶのが楽しいほど。

フジスーパーのチラシも完全に日本

こうしたスーパーがバンコクの各所にあり、またマックスバリュなどのコンビニではワサビとおにぎりと醤油くらいは手に入ります。バンコクとはもはや、そういう街なのです。在住日本人とタイ人、両方の需要を満たすため、和の食材が充実しています。

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