はじめに

景気のカギを握る「金メダル獲得数」

2016年のリオデジャネイロ・オリンピックで日本は金メダルを12個獲得し、世界の中でのランキングは6位でした。ランキング10位までの国の金メダル数と当時の世界経済に占める名目GDPのシェアの相関係数は0.868と、高い数字になりました。

相関係数は、1に近いほど関係性が高いことを示します。選手育成などにお金をかけられる国が強いともいえますし、金メダルを獲るとその国の人々が元気になって、景気が良くなるともいえ、相乗効果が生み出されているようです。

日本の金メダル獲得数が2ケタに達した大会は、東京(1964年)、メキシコシティ(1968年)、ミュンヘン(1972年)、ロサンゼルス(1984年)、アテネ(2004年)、リオデジャネイロ(2016年)の6大会です。

メダル獲得数

このうち、建設投資の反動でオリンピック開催月の10月が景気の山となってしまった1964年の東京大会を除き、日本の金メダル獲得数が2ケタに達した5大会では、日経平均株価は大会期間中にすべて上昇しました。

ちなみにモントリオール大会(1976年)以降、10個に到達しなかった大会は、1大会を除いて、すべてマイナス推移となりました。唯一の例外は2012年のロンドンです。金メダルは少なかったのですが、銀・銅を含めたメダル数が38と当時で史上最多となったので、国民のマインドに大きくプラスに働いたと考えられます。

今大会はなんといっても、自国開催で多くの金メダルが期待されています。日本の株式市場にも追い風となりそうです。

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