2019年11月28日に公表された「国家医療保険償還医薬品リスト(NRDL)」では、初めて「がん免疫療法」の「PD-1阻害剤」がリストに収載されました。これによって中国では今後、がん免疫療法の研究・開発が一段と進むとみられます。

このがん免疫療法は、「手術」「化学療法」「放射線療法」に続く第4のがん治療として世界的にも注目を集めています。なぜ中国でこの第4の治療法の研究が急速に進んでいるのか、そしてどのような銘柄が注目されるのか、掘り下げみたいと思います。


長期的視野に立った中国のバイオ産業振興策

日本の特許庁によれば、中国は「がん免疫療法」に関する特許出願件数と論文発表数で米国、欧州に次いで世界3位に躍進。いずれも日本を大きく上回っていると指摘しています。

論文発表件数

国別出願件数

冒頭で触れたNRDLとは、対象となる患者に対して全額もしくは一部が公的保険で償還される医薬品リスト。このリストは14億人の中国人民に基本的な医療保険を提供することを目的とし、国により承認されているものです。

前政権の胡錦濤時代に提唱された「戦略的産業7分野」(2010年9月)では、「バイオテクノロジー分野」も選ばれ、バイオ産業は国家による資金の重点配分や税制面での優遇措置、金融機関による低利での融資などの恩恵を受けています。

次の習近平政権でもバイオ産業振興策が継承される中、2018年には香港証券取引所が中国のバイオ企業の上場基準を大幅に緩和する制度を実施。すでに複数の中国系バイオ企業はこの制度を利用して、香港市場に上場しています。