はじめに
どうすれば妥当な評価が下せる?
東証1部上場企業を対象に毎年1回、9月末時点で取得できる情報を使って、企業が発行するCSR報告書などを通じて「女性中間管理職比率」と「女性従業員比率」のデータを取得します。
ここで言う「中間管理職」とは、一般的な会社における課長クラスです。現場実務のプロダクトのチーフなどの立場であり、実務を行うチームリーダーとなります。
今回は、この「女性中間管理職比率」から「女性従業員比率」を引いた差を求めました。ところが、実際にこの数値を見てみると、「女性中間管理職比率」が「女性従業員比率」より高い(プラスである)会社はほとんど見られませんでした。
そこで、「女性中間管理職比率」から「女性従業員比率」を引いた差がある程度マイナスでも他の会社と比べてマイナスが小さければ、「女性が責任ある立場で活躍できる会社」と考えることにしました。
「女性が活躍する企業」の株価推移
分析は会社を3つに分類しました。▲10%よりもマイナスの値が小さい会社を「活躍できる」として、そこから▲20%までは「普通」。3つ目の分類は▲20%よりもさらにマイナスの値が大きいと、女性従業員が多い割に管理職につけない会社として「活躍が小さい」としています。
そして、その後1年間の株式の平均収益率を見ました。表で示した収益率は、2015年以降でさらに平均しています。
分析結果は予想通り、「活躍できる」が最もパフォーマンスが良く、次いで「普通」。3つの中で最低が「活躍が小さい」となりました。やはり、「女性が責任ある立場で活躍できる会社」のパフォーマンスが良好でした。
皆さんも「女性の活躍推進企業データベース」を使って、会社の評価をしてみるのはいかがでしょう。実務ベースで活躍する「女性中間管理職比率」の代わりに「女性管理職比率」を使っても、似たような計算が可能です。
「女性管理職比率」-「労働者に占める女性労働者の割合」がプラスだったり、マイナスでも1ケタであれば、女性活躍の観点から注目したい会社になりそうです。