はじめに
母が初めて買った銘柄は?
――インカムゲインとキャピタルゲインに関しても、やりながら理解していくようなイメージでしょうか。
実際に買ってみたり、配当や値上がり益を手にすることによってわかることも多いと思うので、インカムゲイン、キャピタルゲインといった分類はあまり考えず、自分が興味ある会社や、身近な業界の銘柄などをまずは買ってみるのが良いと思います。
――まずは買ってみる。できれば身近で、事業内容などを理解できる銘柄を選ぶことが大事なのですね。
そう思います。私の母が最初に買った株も、普段から利用していたイオン(8267)とカスミ(現在はユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)の子会社)でした。両方とも株主優待があるので、よく買い物するなら買ったらどうかと勧めたのです。その後、2銘柄とも株価が2倍くらいになり、そこでハマりました(笑)。
――株はやはり上がった時の喜びが大きいですよね。
はい。キャピタルゲイン狙いの人はもちろんですが、優待100株投資であっても値上がりは嬉しいことです。それとは逆のパターンになったのが妹です。妹も株に興味を持って、最初にヤーマン(6630)を買いました。しかし、これがどんどん下がっていくのです。買った時が1,700円くらいで、1,400円くらいまで下がった時に損切りしましたが、その後も下げ止まらず最安値で600円台まで下がりました。
――リスク資産である以上、損する可能性は受け入れなければなりませんね。
そうですね。ただ、勝ち負けはともかく、株を売買することで新たな発見もあると思います。
例えば、手放した銘柄は上がっても下がっても関係ないのですが、売った価格から上がると悔しいですし、下がったら嬉しく感じるものです。そういう感情を自覚することによって、自分が意外と欲張りだと気付いたり、恨みを持つタイプだと実感することもあります。
いままで知らなかった自分や、新たな自分の側面を知るという点で、株は投資先の企業について知ることであると同時に、自分を知ることにも通じると思います。妹も、売った株がもっと下がってほしいと願っている自分に気づき、ハッとしたと言っていました(笑)。