はじめに
「煮干しが嫌いな方、ご遠慮ください」――。店頭にこんな張り紙があるほど、個性的なラーメンでファンを獲得してきた「すごい!煮干ラーメン凪」。
同チェーンを展開する凪スピリッツが2月2日、とんこつラーメン業態で、国内初となる旗艦店を東京・神田に出店しました。煮干しラーメンで成長してきた同社が、とんこつラーメンの力を入れ始めた背景には何があるのでしょうか。
4色から選べる「とんこつラーメン」
「すごい!煮干ラーメン凪」は都内を中心に12店舗を営業。一方、とんこつラーメン業態の「ラーメン凪 豚王」は海外を中心に出店しており、台湾、フィリピン、香港、中国、シンガポール、アメリカに計35店舗を展開しています。
今回オープンした旗艦店は、「豚王」をリブランディングした「ラーメン凪 BUTAO」。海外店舗で展開してきた味をベースにしつつ、日本向けにブラッシュアップしたメニューを提供します。
「4色の豚骨ラーメン」(830円、税込)は、その日の気分に合わせ、味つけを選択できる仕掛け。濃厚な味わいの「黄」、自家製ラー油ベースの「赤」、焦がしニンニクとマー油ベースの「黒」、バジルとオリーブオイルを合わせた「翠」、というバリエーションです。
色ごとにテーマがあり、たとえば「黄」は「ただうまいものを体が欲しがっているとき」、赤は「シャキッと自分に気合を入れたいとき」といった具合。生田悟志社長は「ただウマいものを、あなたらしく食べてほしい」と、狙いを説明します。
「おもてなしシート」で味をカスタマイズ
ラーメンの食券を購入して座席につくと、味の好みを調整する「おもてなしシート」が店員から手渡されるので、赤鉛筆で「味」「油の量」「味の濃さ」「にんにく」「麺の硬さ」などを記入していきます。
「従来のラーメン屋さんは、これが自分たちの味だとドーンと出していた。(来店客には)もう少し辛さを出したいとか、違う雰囲気のものを食べたいという欲求がある」(生田社長)
ラーメン提供時の温度にもこだわり、テーブルに出す時点でスープの温度が79度になるように調整する徹底ぶりです。また、ラーメンが出てくる前にゆで卵を無料で提供。「口の中をリセットして、口内調味を促す」といいます。
ビジネスパーソンや訪日外国人も行き交う神田という土地に合わせ、食券機は英語と中国語の表示にも対応しています。