はじめに
起業したい!と思った場合に面倒なのが会社の設立までの諸手続きです。世の中にはそこまで会社を作りたいと思う人はいないかもしれませんが、私が資本金900万円の会社を作った時の話を振り返ってみます。
多忙のなかで、どうやるか?
現在私はY嬢という大学時代の同期と一緒に超零細企業を経営しております。9月にセミリタイアをするつもりなので、このたび新人を雇いました。肩書は「見習い代理補佐主任主事心得」です。これからは「M心得」と呼ぶことにします。
さて、会社を作るにあたり、区役所に何度も行かなくてはいけないことが分かりました。公証役場に行ったり、法務局に書類を送ることも必要なようです。「ようです」と書いた理由は、今回「会社の作り方」というテーマで原稿を書こうと思い慌てて「どうやって会社って作るの?」と思ったから。「会社設立 手続き」と検索した結果出てきたサイトにそう書いてあったからです。
はい、私は自分の会社を作る時、実は何もしていないんです。そもそも会社を作ることになったのは、当時の売り上げを考えたところ、フリーランスでやるよりは法人化した方が明らかに税金が安くなることが分かったからです。
しかし、当時35歳だったのですが、とんでもなく忙しくなっており、役所に行ったりする余裕はない。だったらどうするかといえば「誰かに作ってもらう」ということになります。
当時慶應義塾大学に通っていた知り合いの学生に「15万円渡すから会社作っておいて」とお願いをしました。彼女はかなり賢い方でしたから、うまいことやってくれるでしょう、と思ったのです。
この「15万円」という金額が果たして学生にとって「おいしい」のか「おいしくない」のかは分からないのですが、多分時給7,000円は超えていたと思います。彼女とは3回ほど私のハンコを求めるために会いましたし、定款の内容をメールで送るなどのやり取りはありました。
会社を作ろうと決めた時って本当に忙しい時期なんですよ。正直自分が動いているような余裕はない。そんな時に事務処理能力が高くそれなりに時間があるのが春休みや夏休みの学生ということになります。
彼女にお願いした時「えーっ、そんなにもらえるんですか~」と言っていましたが、こちらとしては時間の方が圧倒的に重要です。15万円というのも適当に決めた額ではありますが、学生が1日数時間、何日間かかけてやる仕事としては悪くないものだったのでしょう。彼女も「なんか初めてこんなことするので楽しいです」と言ってくれました。