はじめに
【ステップ3】税額の計算
では、いよいよ税額の計算です。税額は、給与所得から所得控除を差し引いた、課税所得に税率をかけて計算します。年収1,000万円として、所得控除は誰にでもあてはまる、社会保険料控除と基礎控除のみで計算してみましょう。
2019年の課税所得
給与所得控除は、1,000万円×10%+120万円=220万円
給与から給与所得控除をさしひいて、1,000万円-220万円=780万円 …給与所得
給与所得から社会保険料129万円、基礎控除38万円をさしひいて、
780万円-(129万円+38万円)=613万円 …課税所得
613万円の所得税の税率は20%。下記の速算表で計算すると、79万8,500円です。
住民税は税率が10%、基礎控除が33万円ですから、61万8,000円です。
所得税と住民税を合計すると、141万6,500円になります。
給与から給与所得控除をさしひいて、1,000万円-220万円=780万円 …給与所得
給与所得から社会保険料129万円、基礎控除38万円をさしひいて、
780万円-(129万円+38万円)=613万円 …課税所得
613万円の所得税の税率は20%。下記の速算表で計算すると、79万8,500円です。
住民税は税率が10%、基礎控除が33万円ですから、61万8,000円です。
所得税と住民税を合計すると、141万6,500円になります。
2020年の課税所得
給与所得控除は、195万円
給与から給与所得控除をさしひいて、1,000万円-195万円=805万円 …給与所得
給与所得から社会保険料130万円、基礎控除48万円をさしひいて、
805万円-(129万円+48万円)=628万円 …課税所得
628万円の所得税の税率は20%。下記の速算表で計算すると、82万8,500円です。
住民税は税率が10%、基礎控除が43万円ですから、63万3,000円です。
所得税と住民税を合計すると、146万1,500円になります。2019年と比べると、4万5,000円多くなります。
給与から給与所得控除をさしひいて、1,000万円-195万円=805万円 …給与所得
給与所得から社会保険料130万円、基礎控除48万円をさしひいて、
805万円-(129万円+48万円)=628万円 …課税所得
628万円の所得税の税率は20%。下記の速算表で計算すると、82万8,500円です。
住民税は税率が10%、基礎控除が43万円ですから、63万3,000円です。
所得税と住民税を合計すると、146万1,500円になります。2019年と比べると、4万5,000円多くなります。
所得税の速算表
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 9万7,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円超 | 45% | 479万6,000円 |
国税庁ホームページより抜粋
給与収入600万円の人はプラスマイナス0
2020年の税金の制度の変更により、給与所得控除の金額が、年収850万円を超えたら一律となるため、年収が850万円超の会社員にとっては増税です。
しかし、年収850万円までの会社員にとっては、「給与所得控除が10万円減って、基礎控除が10万円増えた」ので、プラスマイナス0で増税にはなりません。
また、自営業の人にとっては基礎控除が増えるので減税になります。