はじめに
苦戦する外食を弁当で補う
三光マーケティングフーズが弁当事業に力を入れる背景として、主力である居酒屋事業の苦戦があります。2019年7〜12月期の売上高は48億6,000万円(前年同期比10.8%減)、本業の儲けを示す営業損益は5億1,700万円の赤字(前年同期は5億2,400万円の赤字)と、厳しい状態が続いています。
「金の蔵」は激安居酒屋のブームを作ったと言われ、若者を中心に支持されてきましたが、近年は利用者の嗜好変化で低迷。不採算の大型店の閉店や再編を進めており、新業態の「アカマル屋」などへの業態転換も行っています。
新規出店を抑制する中で活路を見出したのが、オフィスワーカーの昼食需要というわけです。働き方改革で「仕事量は減らないのに労働時間が減らされ、残業もできない。残された時間は昼しかない」という人でも、弁当なら自席で仕事をしながら食事ができます。
同社では東京・茅場町のテストキッチンを、弁当用のセントラルキッチンに変更。都内向けに弁当を1日1,000食以上を製造しています。現状はオフィスビルの一角を借りた出張販売など、店頭での販売が多くを占めますが、デリバリー強化することで、1日3,000食を当面の目標とします。
いつの間にかオフィス向け弁当に姿を変えていた「東京チカラめし」。時間に追われるビジネスパーソンの新たな需要に応え、苦境が続く三光マーケティングフーズを立て直すことができるでしょうか。