はじめに

このたび、超零細企業である我が社に新人が入ることになりました。これまで2人でやってきたのですが、私がセミリタイアしたくなったため、新人を入れることにしたのです。正直、当社は従業員2人の会社としてはかなり給料の良い会社です。

もちろん、完全実力主義のため、自分が稼いだ分だけを第三者である税理士が貢献ポイントを審査し、それが給料に反映されるシステムですが、多少の温情はあるため、多分普通の会社よりは給料はいいことでしょう。


新入社員を選んだポイントは?

ここでは「転職採用の決め手」ということを考えたいのですが、その基準は大きくは1つしかありません。私はもう弊社からはいなくなるため、残ったY嬢がつつがなく仕事をすることが大事なのですが、採用基準は「Y嬢が心地よく仕事ができる相手」ということになります。これしかありません。

新しく入ることになったM心得(正式名称は、見習い代理補佐主任主事心得)は広告会社である程度のキャリアはあるものの、当社の主幹業務である編集業務については未経験のようなものです。そんな人物を雇うのはどうか? と思いつつも、M心得であれば業務はできるだろう、とY嬢は判断しました。

私は、私“亡きあと”の弊社の採用については特にY嬢に何も言っておりません。「やりたい人にやらせればいいよ」とだけ伝えていました。当然M心得も後任候補に入っていましたが、結果として唯一の採用枠では彼女が入ることになりました。

これが採用における実に示唆に富んだ話になっているな、という気がしますので紹介します。

もしも会社をガンガンと拡大させたいのであれば、やる気にあふれた若手を数名雇った方がいいかもしれません。しかし、当社の社是というか、従業員に求めるものは「世間のイケてる人に乗っかってコバンザメの如くその方々からのおこぼれをもらう」というところにあります。

こうしたビジネスモデルで私自身18年やってきただけに、これを変えるのは非常に厳しいところがあります。そういった意味で、今いただいている仕事を維持し続けることが従業員の安定した給料に繋がると考えるため、むしろ堅実かつ内紛を起こさないタイプの人物を私の後釜に据えることが必要でした。

それこそM心得だったのです。