はじめに

夫のチェックにげんなり

やはり夫が在宅になったというマイさん(45歳)は、「夫が家庭内パトロールをしているみたい」とげっそりした表情で言います。高校生と中学生の娘たちは休校。外出するのは心配ですが、ふたりで繁華街へ出かけてしまうこともあるそうです。

「うち、マンションの2LDKと狭いんですよ。そこに一家4人でいると本当に息が詰まる。だから娘たちは、夫には学校が開いているから授業はないけど行ってみると言いながら、実は繁華街に遊びに行ってる。私は知っていますが、悪いことをしなければ別にいいかなと思って『早めに帰っておいで』と送り出しています。夫は寝室で仕事をしてくれればいいんですが、なぜかリビングで仕事をしている。私も在宅勤務になったので、寝室でパソコンとにらめっこです」

会議もスカイプなどを使っておこなっているが、あとから夫に「おまえの会社の会議って、あんまり内容がないな」と言われたときは、本気でブチ切れたと言います。互いの仕事内容が見えてしまうのも、夫婦関係にとってはあまりよくないようです。

「夜も今までは夫の帰宅が遅かったり、娘たちも塾や部活があったりで、なかなか4人揃わなかったんですが、今は夕方になると全員がいる。毎日長い時間、顔をつきあわせていると、ストレスがたまりますね。小さな子ならいいけど、娘たちももう自分たちの意志がはっきりしているので」

そんなときに夫が、トイレットペーパーの減りが激しいと文句を言い出しました。家族が家にいる時間が長いのでしかたがないのですが、そうした消耗品の減り方を夫がチェックしはじめたのです。

「そういうことをする人だったのかという衝撃が強くて(笑)。人は時間があると、ろくでもないことに目がいくんでしょうね」

小人閑居して不善を為すという言葉を思い起こさせます。マイさんの夫は悪事に走ったわけではありませんが、彼女にとっては家庭内パトロールをされることでストレス源となっているのです。

「早く元の生活に戻りたいです。この状態が数ヶ月続いたら、家庭は崩壊しかねません」

そう思っている妻たちは多いのではないでしょうか。