はじめに
専門業者が参入する民泊オペレーション
実は民泊業界では、裏方の仕事を丸受けする新しいビジネスが始まっているのです。
予約はエアビーアンドビーなど海外の民泊サイトに登録することで取り、その後の宿泊客とのやりとりも自分でやらずに業者に丸投げすることができるのです。
なかには英語も中国語もわからないような観光客もいるのですが、各国語での現地対応も対応してくれます。
実際に私が住むマンションのエントランスでは、知らない言語で話す観光客がオートロックのドアの前で電話しながら、鍵の受け取り方から部屋への入り方まで指導を受けている姿をよく目にします。
このように外国語対応を任せることで、宿泊客が共用部にごみを捨てたり夜中に騒いだりというトラブルを未然に減らすこともできそうです。
さらに一番面倒なチェックアウト後の部屋の清掃も、外注スタッフがやってきてマニュアル通りに対応してくれます。ゴミを捨て、シーツを取り替えて、部屋を簡単に掃除してくれるわけです。
民泊で活躍する人材派遣業の人たち
さて、そこで人材派遣業です。民泊が拡大し、宿泊客が一定のサービスを期待するようになると、これまでのように「自分で貸し出して、自分で応対し、自分で掃除する」というレベルでは顧客が満足しなくなるのです。
今後、裏方に丸投げでお願いする、ないしは人を派遣してもらうケースが増えるでしょう。おそらく一番多くなるのは裏方を担当する会社自体が、その時々の需要に応じて人材派遣会社から接客や掃除の要員を補充してもらうかたちでしょう。
多様な言語ができてコールセンターで働ける人、現場にかけつけて短時間に部屋を掃除してくれる人、そして万一部屋の中がとんでもない状態になってしまっていても、急いで代わりの部屋を確保してそちらに宿泊客を案内できる人、こういった人材体制を作ることは大企業の得意技です。
丸投げすると管理費として一泊あたり数千円が差し引かれるそうですが、それでもオーナーの手元に残る分の方がはるかに多い。こうして民泊は新しい需要を生み出しているという話なのです。
ビジネスチャンスとしてはとてもおいしい話に思えますね。ただ私の本業はあくまでコンサルタント。副業のお誘いはいただきましたが、今回は丁寧にお断りしておきました。