はじめに
今の家計に対して積立貯金額は妥当か?
家計が赤字になっても、毎月積立貯金を頑張っていることは立派です。ただ、赤字なのに今までと同じように貯金を続けていると、ボーナスの減りがいつもより早かったり、今ある貯金を切り崩して貯金するというわかりにくいことになってしまう場合があります。
先にお伝えしたように、支出を減らせるか検討してみて、それでも赤字となるようであれば、貯金額を見直した方がよいでしょう。
この状況でiDeCoを始めるには、少し工夫が必要です。例えばボーナスを利用して年1回~2回拠出するとか、ボーナスから計画的に毎月拠出していくということであれば可能かもしれません。ただ、ボーナスはもともと支給される保障がないものなので、あまり頼りすぎるのも感心できません。ご夫婦ともにサービス業ということであれば、会社の、または個人の業績によって金額が変わることも多いでしょうから。
今の貯金額に上乗せしてiDeCoを始めると考えるのではなく、毎月5万円している積立貯金額の一部をiDeCoに回すというやり方であれば、よいと思います。貯金をメインにして教育費や生活上必要な貯金を増やし、一方で長い将来を見据えた資産形成を目指すということは、貯金のスピードは落ちてしまいますが、その分、将来のお金はしっかりと作ることができるでしょう。
極端に生活費を削って貯金やiDeCoのお金を作っても、長続きしないと意味がないですし、生活を楽しむことがよい人生にもつながることですので、バランスを取りながら、金額を検討してほしいと思います。
幼保無償化で浮いたお金は貯蓄にまわして
保育料が高くなったことが赤字の原因のようにおっしゃっていますが、それも収入が増えたという喜ばしいことによるものですから、あまりマイナス要因と考えずにいきましょう。
今は幼児保育無償化が実施されています。対象は3歳からなので、それまではまるまる保育料がかかってしまいますが、3歳になれば保育料の3万7000円が補助されます。現状の保育料から見ると、少なくとも8000円ほどの自己負担は残りそうですし、このほかにおやつ代や給食費も別にかかる可能性があります。完全に無料化というわけにはいかなさそうですが、負担が減ると、その分貯金や投資に回す金額を増やせます。
あと2年ほどは、家計を赤字にせず、無理なく貯金とiDeCoまたはその他の投資でもよいですが、両立できるようにしていくことが目標になるのではないかと思います。
まだお若いご夫婦ですから、今のうちに家族に必要な支出をしっかり出して不要な支出を減らしていける、メリハリのある家計運営の仕方を身につけられると、将来的にも困ることなく過ごしていけるでしょう。
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