はじめに
在職老齢年金の見直し
60歳から65歳の在職老齢年金が28万円だったのが、2022年4月から47万円に引き上げられます。
在職老齢年金とは、会社に勤めながら年金を受け取っている人が対象です。給料と年金の合計額が月28万円を超えると年金の一部が停止するという制度です。一定額以上は年金の全額が停止になります。65歳以上については減額基準が月47万円に変わります。
今度の改定案では、65歳以上と同じ47万円に引き下げると言うことです。これは65歳までの人に取っては朗報です。あまり働き過ぎると年金が減ってしまうということを気にしながら働かなくても大丈夫ですから。
ただし、65歳以前の特別支給の老齢厚生年金を受け取っている人なので、対象者が少ないです。
この制度が適用される人は、男性1957年4月~1961年4月1日、女性1957年4月~1966年4月1日の人だけです。
該当する人はとてもラッキーでしょう!
厚生年金のハードルが下がる
厚生年金の対象者を段階的に拡大されます。現在は、パートタイムや短時間で働く人で、従業員が501人以上会社は、厚生年金に加入する義務があります。それを2024年10月には51人以上に拡大します。その段階措置として、2022年10月には、101人以上の会社が適用になります。
厚生年金の保険料は、労使折半になっているので、これによって会社側の保険料負担が大きくなります。とくに中小企業は、厳しくなるところがあるかも知れません。
では、短時間労働者側から見ると、女性や高齢者が多いのですが、厚生年金の加入できるので、年金の受け取り額が増えます。ただ、厚生年金の保険料を支払うことになり、手取金額が減るかも知れませんが、長い目で見ると年金が増えるので、結果的にはいいことだと考えられます。
政府としても、国民年金を支払っていない人が多くいるので、厚生年金の加入者を増やすことで未納者を減らすという狙いもあるのでしょう。
公的年金は、老後の生活をすべて国が面倒みる制度ではありません。今回の改定も個人個人の自助に負うところが大きいのです。つまり、公的年金とはいえ、仕組みを知って使いこなすことが必要になってきます。
今回の改正をどううまく使いこなすのかは、ご自分の裁量です。うまく使いこなしてバラ色の老後生活にしてください。