はじめに

老後資金がいつまで持つのかが問題!

いつまで生きているのかという問題と、もうひとつ大きな問題は、それまで公的年金を受け取らなくても生活ができるかです。年金を繰り下げている間の生活費は、働いて稼げるのか、老後資金を取り崩して使うのか。

さすがに70歳以降も働いている人はかなり少数でしょう。そうすると生活資金が足りなくなります。老後資金が潤沢にある人はいいかもしれませんが、そこまで余裕のある人は少ないのではと思います。

結論、繰下げ受給をどこまでするのが一番いいのか

私が考える「繰下げ受給」についてもっともよい方法は、「健康状態と老後資金の状態を考えながら決めればいい」と言うことです。年金の繰下げ受給は、結構融通がきく制度で、途中でやめることができるのです。

繰下げ受給を途中でやめる方法は、2種類あります。1つが、年金を一括で受け取る方法です。

たとえば、繰下げをしている途中で、要介護になってまとまったお金が必要になったときには一括で受け取ることができます。その場合には、65歳時点の受給額で計算されて、未支給分の年金を受け取ることができます。

もうひとつは、途中で年金の支給を開始する方法です。

たとえば、老後資金が足りなくなって生活費が心配になったとき、繰下げをやめれば、年金の支給が始まります。この場合には、その時点で繰り下げて増額になった分の金額が受け取れます。その増額された年金が一生涯続くのです。

ですので、繰下げ受給をする場合には、現在の状況を考えながら年金をいつ受け取るかを決めることができます。また、繰下げ受給をしている途中で死んだ場合には、未支給分として遺族が受け取ることができます。その場合にも、生命保険と同じようにみなし相続財産になるので、相続税の税制優遇があります。

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