はじめに

世界的に株価が暴落しました。2月12日にNYダウ平均は終値で2万9,551ドルと史上最高値をつけました。そこからわずか1ヵ月、ダウ平均は3月16日時点で2万0,188ドルと30%超下落しました。

2万4,000円近くあった日経平均株価も、16日時点で1万7,002円とほぼ同じように下げています。この下げ方はリーマン・ショックを彷彿とさせる、とてつもないペースでの株価下落です。今、株式市場や世界経済、日本経済に何が起きているのでしょうか。


鉄道への影響はリーマン超え

日本経済が新型コロナウイルスの感染拡大を受け大きく落ち込むことは、生活者の直感にも近いと思われます。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための自粛要請がなされた結果、多くのプロスポーツの開幕延期や、大小さまざまなイベントの開催自粛などが行われています。

下のグラフは、JR西日本が発表している運輸取扱収入の対前年推移です。3月は14日までの速報値ですが、前年比53.2%とほぼ半分まで落ち込んでしまっています。

運輸取扱収入

リーマン・ショックがあった2008年から2009年にも、東日本大震災があった2011年にも、こんな落ち込みはありませんでした。目下の日本経済がいかに活動麻痺状態に陥ってしまっているかを示す、怖いデータです。

米国が欧州全体への渡航制限を行い、イタリアやスペインが実質的に国を封鎖している今、これと同様、またはそれ以上の経済麻痺が世界のいろいろなところで起きていることが予想されます。

これでは世界的な景気の落ち込みは避けられず、企業の利益は大きく減少することになります。株価の源泉は企業の稼ぐ利益ですから、現在の株価下落は企業利益の落ち込みを先取りする形で起こっていると考えられます。

そして今回のコロナショックの怖いところが、新型コロナウイルスの感染拡大がいつ止まるのか、わからないところです。自粛がどの時期まで必要なのかわからず、経済の落ち込みがどの時期まで続くのか、現時点では見通すことが極めて困難です。

<写真:ロイター/アフロ>

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