はじめに

フィットらしさが随所に


シートに腰を下ろしました。座面もシートバックも天地に長めで、体をガッチリと受け止めてくれますから、座り心地はけっこうよく感じます。とくにシートバック、つまり背もたれですが、左右への動きに対してもしっかりと上体を支えてくれますから、とても安定感を感じます。この座り心地のいいシートもフィットの伝統ですね。サラッとした肌触りも好感が持てます。

そしてインパネはシンプル。スッキリとしたデザインと適切なレイアウトで、いかにもコンパクトハッチらしい簡潔な雰囲気を作り出しています。実際に走り出してより強く感じたのですが、余計な情報や操作系が目に付かず、とてもストレスが少ない視認性、操作性のインパネだと思いました。しばらく走ってみるとその楽さをしっかりと感じることができます。おまけにダッシュボードには手触りのよいプライムスムース(合皮)が用いられている点も高ポイントです。

でも、なんか物足りない……。そうなんです、柴犬ですからもう少し可愛らしさというか、愛着の湧く部分というか、本当に人間とはわがままなものですが、機能性は高いのですが、ここがお気に入りというデザインがあまりないように感じました。無印良品の良さは十分に理解していますが、機能的すぎるというのも、ちょっとばかり色気不足を感じた点が気になるポイントでした。メーターパネルを含めインパネはドライバーが1番目にする時間が長い場所なんです。せっかく柴犬を持ってきたのですから、インテリアにもそのキーワードとの共通性を感じさせるお遊びが見えていいのではないでしょうか。

チップアップ&ダイブダウン機構付6:4分割可倒式リアシート

でも気になるのはそのくらいです。例えばフィットの受け継がれしグッドポイントであるセンタータンクレイアウト。燃料タンクを前席の下に収めるという独自のレイアウトにより、床を低くすることで広いキャビンを実現してきました。もちろん4代目でも健在です。リアシートの足下も広々としていますし、大人4人が乗っても前後のゆとりはけっこうあります。そしてなにより、後席を前方に倒せばフラットになる荷室も、リアシートの座面を跳ね上げれば広々とした収納スペースが確保できる点も健在です。このスペース面のゆとりと使い心地のいいアイデアは、いかにもフィットです。

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