はじめに

遠隔授業の質の高さも加わり、今後は時間の使い方が重要に

今回、多くの私学が休校期間にオンライン授業を設定していますが、これが一年前ならこんなにスピーディーにオンライン授業を導入できたかわかりません。まさに、図らずも、という感じです。

これにつけて思い出すのは、ユニークな大学として近年注目を集めている「ミネルヴァ大学」です。読者の皆様も最近よく取り上げられるのでお耳にされたことがあるでしょう。

この大学の特徴は学費が極めて安い、ということですが、これを実現しているのが件の遠隔授業と寮です。すなわちキャンパスを持たないで、世界の都市にある寮を4年の間に巡ってカリフォルニアの大学本部から送られるライブの遠隔授業を午前中に受け、午後はその寮のある都市のケーススタディをPBL(問題解決型学習)で学ぶというもの。

そこには両方(遠隔授業と寮)の長所を生かして、質は高くて学費の安い大学を世に送り出そうという大学創立者の強い思いがあるようです。

この大学の成功が意味するものは、遠隔授業が極めて質の高いものになっているということと、寮制というアメリカの大学生の長時間学習を支えるシステムとがうまくかみ合っている、ということだと思います。

翻って日本の中高生の通学制の結構な通学時間と、寮制学校というあり方、遠隔授業の内容など考えさせられます。素直に言えばミネルヴァ大学では時間の使い方がとてもシビアに追及されていることに驚きます。

その昔、東大に大量に合格者を輩出することで全国に名を轟かせた桐蔭の故鵜川校長が営々と毎日90分予習復習をしさえすれば東大に合格できる、と日々の時間の使い方こそが大切だと説いていた記憶があります。

これは受験勉強だけでなく、認知科学の面からも日々90分の読書は脳のメンテナンスに効き目がある、とものの本にありましたから、要は通学時間をどう過ごすか、ということでもあろうかと思います。