はじめに

今回のコロナの影響は通学時間に影響する?

<モリの目>(森上展安)

にわかに「時間」が問題になってきました。タカの目さんも書かれているように、東日本大震災以降、数年間「近場」の学校選択が強まりました。その後、特にこの数年の中学受験熱の高まりで、再び県境を超えて受験する動きが増大していました。その最中の、このコロナショックの襲来でした。

本稿の掲載は非常事態宣言が出された後になりますが、通学時間が長いと感染リスクが高くなるのも事実ですから、特に私学にあっては休校要請では強くそこが意識されることになります。

もっとも通学に関しては都心に向かう場合で、校外に向かう電車であれば混雑は避けられ「密閉」「密集」「密接」の実情はないと考えられます。

栄東が都内からの通学が高まっているとタカの目さんのご指摘にありますが、千葉の渋幕も都内からの受験生が多いですし、神奈川の聖光もそこは同じです。また、国立の桐朋などもそうです。いずれも都心から郊外に向かうベクトルが強い進学校と言えましょう。

これに対して伝統的に都内の西南地区の学校は神奈川からの流入が多く、東部地区は千葉・埼玉からの流入が多い実情がありました。こうした伝統校の流れは都心に向かうベクトルですから今回のような感染症に対しては残念ながらリスクの高い状況が考えられます。

コロナショックは郊外にある学校の人気につながるか?

前回の東日本大震災では電車滞在時間が長いことが容易に帰宅できずに難民化するリスクとして意識されました。つまり時間即距離ととらえての問題意識でした。

一方、今回はまだコロナショックの渦中であって、このショックがどのように来春の出願状況に影響するかわかりません。ただ、今回のリスクは時間即乗車空間ととらえてのリスクです。従って今学校で多く実行されている時差通学によって「密閉」「密集」「密接」のリスクを下げようとしているわけです。

それでこれは平時でも早朝に通学することで時差通学が実現できますから、そこを織り込んでの学校選択ならコロナショックは後を引かない可能性はあります。しかしこれを機に逆ベクトル、つまり都心から郊外に向かう選好が強まるかもしれません。

タカの目さんの90分限度の学校例として女子学院の名前があがっていますが、桜蔭も説明会等ではそのように説明されているようですし、栄光もWEBにそのように案内がありますから、90分が「限度」という目安だと思います。

加えて寮制の学校はゼロ分だとありますね。大変面白い視点ですね。寮制の場合、そこがクラスターにならないように注意しなくてはなりませんが、それは教室も同じことなので、感染リスクの観点から「3つの密」を避けるなら通信制高校のような遠隔授業を実施するしかありません。