はじめに

専業大手3社がシェア拡大見込み

当経済研究所では国内後発薬市場において、今後は豊富な品ぞろえとスケールメリットを背景に日医工、沢井製薬、東和薬品(4553)の専業大手3社のシェアが高まるとみています。

専業大手3社のシェアは、新規参入や先発メーカーによるAGの発売などで一時的に低下した時期がありましたが、度重なる薬価改定など事業環境悪化による中小・中堅メーカーの縮小撤退のなかで今後は拡大する見通しです。個別銘柄の収益動向は以下の通りです。

日医工に関しては、国内での「エディロール」後発薬の発売、米国における乳がん治療注射剤「フルベストラント」の販売拡大が期待されます。

また、同社が先発薬と後発薬を有する「ナファモスタット」が東京大学医科学研究所の新型コロナウイルス感染阻止の治験を開始しており、今後の進展次第では業績にプラスの効果が期待されます。

東和薬品に関しては2017年4月の販路拡大への販売方針転換以降、国内市場シェアが拡大傾向にありますが、1月のスペインの医薬品メーカー「Pensa Investments」買収によって中長期での付加価値製剤のグローバル展開による利益成長が見込まれます。

沢井製薬に関しては「エディロール」後発薬の発売による恩恵と、米国でのブランド薬の販売拡大による収益拡大が予想されます。米国では、毎年5~10製品の発売が見込まれており、スケールメリットによる収益性の改善が期待されます。

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<文:企業調査部 吉田正夫>

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