はじめに
消費者マインドは過去最悪
消費者のマインドも大幅に悪化しています。4月の内閣府「消費者マインドアンケート調査」で、暮らし向き(半年後)の5段階の回答から「景気ウォッチャー調査」と同様な手法により判断DIを作成すると、4月は20.7と2016年9月からある統計史上で最低水準になりました。
全員が「やや悪くなる」と回答した時のDIである25.0を下回ったことになります。4月「消費動向調査」の消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)は前月比9.3ポイント低下し、21.6となりました。調査方式が異なりますが、リーマンショックの影響が残る2009年1月(27.5)を下回り、過去最低を更新しました。外出自粛と休業要請による経済活動の抑制、雇用不安が影響したとみられます。
消費者をみている事業者のマインド調査である4月の「日経消費DI」からも、新型コロナウイルスの感染拡大で景況感が急速に悪化し、先行きも深刻なことが読み取れます。3ヵ月後の業況見通しが▲68と、1995年の調査開始以来、最低となりました。
この調査では調査期間が3月上旬から4月上旬であることから緊急事態宣言の影響があまり反映されていないこともあるので、現状・業況判断DI は▲61と3番目の低さにとどまりました。しかし、前回1月調査からの下げ幅は過去最大となりました。業種別で百貨店と旅行・運輸が、全社が「悪い」と回答したことを示す▲100となりました。外出自粛の影響が大きく、4月の現状・客数DI は▲54と過去最低です。
観光地の人出が大幅減
JR東海によると、1月の東海道新幹線の輸送量は前年比+3%の増加と堅調でしたが、2月の東海道新幹線の輸送量・前年比は▲8%と減少に転じました。3月は新型コロナウイルスの感染拡大による国内旅行や出張の自粛で前年比▲59%と大幅な下落、緊急事態宣言が発出された4月は26日までで▲89%になりました。
休園を余儀なくされた観光地の人出のデータをみると、新型コロナウイルスの影響の大きさを改めて実感させられます。4月21日から閉園となった金沢・兼六園の4月の入園者・前年同月比は▲89.6%になりました。
4月18日から5月10日まで閉園となった吉野ヶ里歴史公園の4月の入園者・前年同月比は▲88.1%になりました。4月9日から閉鎖となった姫路城の4月入城者・前年同月比は▲98.6%になりました(下表)。5月31日まで閉鎖が決まっているので、5月の入城者・前年同月比は▲100.0%になる見込みです。