最長で3カ月にも及んだ休校期間から段階的に学校再開がなされていますが、子育て家庭から学校再開への不安として「休校期間中、親子ともに生活リズムが乱れてしまい、朝、なかなか起きることができない」「心身ともに学校生活へ適応できるだろうか」「どう生活のリズムを戻せばよいか」といった声が多く聞かれています。

また休校期間中には、外出自粛もあり、子どもが体力を持て余して、家のなかでイライラしているという悩みも聞かれていました。休校中には体育の課題として「一日一回は室内でできる運動をしよう」、例に「縄跳び」「YouTubeを観てダンス」などが挙げられていたものの、住宅事情によっては困難だという声もありました。

新型コロナウィルス感染拡大の状況はいまだ予断を許さず、当面は保護者の就労を含め、外出も以前より控えめとせざるを得ない期間が続くでしょう。学校再開がなされるいま、子どもたちや子育て家庭はどのようなことに気をつければよいのでしょうか。


休校期間中に親子ともストレスが増加

長期に渡った臨時休校、また緊急事態宣言こそ解除されたとはいえ、テレワークやリモートワークの継続や併用など、新しい生活様式下で、当面は外出も従前よりは控えめとならざるを得ない現状が続いています。

新型コロナウィルス感染拡大の影響によって、長期の臨時休校となり、子どもの習い事も休止が相継ぎました。習い事も再開しつつありますが、3〜4月あたりでやめてしまったという家庭も多く見られます。保護者の仕事も休職となったり在宅勤務となったり、また新しい生活様式下でなにが起きているのでしょうか。

「親子ともに、日常生活のなかで、ごく自然に意識せずとも行っていた有酸素運動をする機会が激減したのです」とは一般社団法人体力メンテナンス協会の理事長、上野玲奈氏。通勤で駅まで歩く、買い物や子どもの習い事の送迎など、私たちはそれを有酸素運動と意識しづらいものですが、実は有酸素運動になるのだそうです。

「有酸素運動の機会がないと、自律神経やホルモンバランスの乱れが起きます。親子ともに身体を動かすことが減り、身体が十分に疲れていないのに、神経ばかりが疲れてしまう。自律神経やホルモンバランスが崩れイライラしたり不安が増したり、ありもしないネガティブな想像にとりつかれ疑心暗鬼になってしまったり。きちんとしなければ、という思いから、子どもや夫を管理しようとしてしまったり…」(上野氏)

身体ではなく頭が疲れた状態が続いていた

自律神経には(1)活動時に優位に働く交感神経と(2)休息したりリラックスしたりといったときに優位となる副交感神経との二つがあります。交感神経と副交感神経とが、交互に優位になること、その均衡で、私たちの心身の健康的なバランスは保たれています。

夜、眠りたいのに寝付けない。疲れてヘトヘトなのに、目が冴えて布団のなかで悶々と過ごす。多かれ少なかれ、誰もが経験したことがあるでしょう。これは就寝時に交感神経が興奮したままで、副交感神経が優位にならないことが原因です。

上野氏は、この交互に働く交感神経・副交感神経を「シーソーの動き」にたとえます。

「自律神経は、シーソーのように、パタン、パタンと、交互に上になって下になって…というように働きます。その切り替えがスムーズにいくこと、シーソーの切り替えのバランスがとれていることが、いわゆる自律神経が整った状態なのですね。ところが休校や外出自粛下で有酸素運動ができずにいると、シーソーの根元が錆びついた状態になってしまうのです」

根元の錆びついたシーソー。想像してみると、シーソーのスムーズな動きが阻害されることはもちろん、どんなに無理やり力を加えて動かそうとしてもびくともしないでしょう。強引に動かそうとすれば壊れすらしかねません。

「現代人はビジネスパーソン、働く親御さんも含め、身体が正しく疲れておらず、頭ばかりを使っていることが多いんです。神経や脳を過剰に働かせてばかりいて、身体の疲れよりも頭の疲れが過多となってしまっているのですね。心身の健康を保ためには、身体を正しく疲れさせることが必要なんです」

身体を正しく、十分に疲れさせることによる効果は、以下のようなものが挙げられます。

・自律神経やホルモンバランスが整う
・良好な睡眠がとれる
・姿勢や呼吸が整う
・やる気や気力がアップする
・心が安定する
・子どもであれば、成長ホルモンが分泌される
・真の体力がつき、心身のエネルギーが生まれる