はじめに
「1匹見つけたら100匹いる」と言われるゴキブリ。家の中で見つけてしまったときのショックは計り知れません。
ゴキブリはどうやって家に侵入し、どこに潜んでいるのか。そして何を食べているのでしょうか。
日頃からできる対策、見つけてしまった時の対処法について、ゴキブリの生態を知り尽くしたアース製薬に話を聞きました。
ゴキブリはどこからやってくるのか?
冬はじっと動かずに休眠しているゴキブリ。春に目覚め、この季節は活発に動き出します。きちんと掃除しているのに、家の中でゴキブリに遭遇したことはありませんか。玄関のドアを開けっ放しにはしていないし、窓を開けていても網戸は閉めているはずなのに……。ゴキブリはいったいどこから入ってくるのでしょうか。
「ゴキブリは換気口、網戸やドアの隙間、排水口、ベランダや廊下の排水パイプなどさまざまな場所から屋内に侵入してきます。家によく出るクロゴキブリは半屋外性なので、外にも生息していますが、エアコンの室外機や植木鉢・プランターの下などから、より生存に適した屋内に侵入してきます」
そう教えてくれたのはアース製薬・研究部の有吉 立課長。同社では研究のために、約25年以上前から4.5畳のスペースにゴキブリ60万頭を飼育しているといいます。
平べったい体をしたゴキブリは、数ミリの隙間さえあれば、どこからでも室内に入ってくるそう。とはいえ、戸建てやマンションの低層階の部屋ならわかりますが、さすがにマンションの高層階の部屋となるとゴキブリも侵入することはないのでは?
「ゴキブリはビルの何階でものぼっていきます。また、荷物に紛れ込んで室内に入ることもあります。段ボールの隙間に卵を産みつけていた場合、そのまま持ち込まれて、家の中で孵化してしまうこともあるかもしれません。マンションの隣の部屋からゴキブリが侵入してくる可能性も考えられます」
有吉さんによると、クロゴキブリは1週間で25m移動し、移動可能な部屋であれば2~4室にわたり活動すると報告されているといいます。
何を食べ、どこに潜んでいるのか?
ゴキブリの侵入を防ぐためには、家の中を「日頃からゴキブリが好む場所にしないことが重要です」と有吉さん。具体的には、食品や食器を放置しない、物陰の掃除をする、不衛生なものはすぐに処分する、整理整頓を心がけるなど、清潔でキレイな環境を保つことが大切だといいます。
そもそも、ゴキブリが好んで潜んでいる場所はどこなのでしょうか。
「暖かくて暗いところが好きなので、家電製品やOA機器などに潜伏することが多いです。冷蔵庫や電気ポットの下に集まったり、わずかな隙間でも入れるので、電話機の中に潜んでいることもあります」
気づかないだけで意外と近くに隠れているかもしれないゴキブリ。何をエサにして生きながらえているのでしょうか。
「家屋内に入ってくるゴキブリは雑食性なので、何でも食べます。食べカス、壁紙や本の表紙、仲間の死骸や糞など、あらゆるものを食べます。実は、自分の脱皮殻も食べてしまいます。また、水だけでも1ヵ月は生きることが可能です」