はじめに

“1匹見つけたら100匹いる”は本当?

また、夜行性のゴキブリが活動するのは夜。もし、明るい場所や昼間に見かけたら注意が必要です。

「ゴキブリは警戒心が強いので、人間の視界に入るところには出てこないはずですが、明るいところに頻繁に出てきてしまったら、すでに多くのゴキブリが潜んでいるという可能性は否定できません」

ゴキブリはよく、“1匹見つけたら100匹隠れている”と言われますが、それには根拠があるといいます。

「そもそもゴキブリは、集合フェロモンによって集団で潜伏しやすいという性質があります。また、1つの卵から平均24個とたくさんの幼虫が孵化すること、普段は人目につきにくいところに潜んでいることを考えると、たまたま見た1匹はその家に住むゴキブリのほんの一部である可能性は高いと言えます」

普段からの対策と見つけた時の対処法

ゴキブリは増える前に対処するのが重要。ゴキブリの数が増えれば増えるほど駆除するのにも手間がかかるため、先制攻撃が効果的だといいます。

予防対策をするなら、置いておくだけで駆除できる毒餌剤がおすすめだそう。毒餌剤はメスの卵にまで作用が及ぶため、増殖を防ぐこともできるといいます。ただ、食べられたものや、一定期間経過したものは効き目がなくなっているので、定期的に新しいものに替える必要があります。

ゴキブリの最盛期を迎えるのは7月から8月。もし万が一、家の中でゴキブリに遭遇してしまったら、外に逃がす、はたいて潰す、ビニールに閉じ込めて捨てる……どのように対処するのが正解なのでしょうか。

「外に逃がすと、再び家の中に入ってきてしまうおそれがあるので、虫ケア用品を使用して仕留めましょう。その後、菌が付着するので素手では触らず、見るのが嫌ならティッシュ等でくるんでビニール袋に入れて処分してください。死骸はガムテープにくっつけると、感触を感じることなく処分できると思います」

もし、逃がしてしまったら……。家の中に隠れているゴキブリを徹底的に駆除するには、殺虫成分が部屋の隅々までいき渡るくん煙剤の使用が効果的だといいます。

「すでにゴキブリが卵を産んでいる場合、卵は殺虫成分を通しにくい殻に覆われているため、まずは1回、その2~3週間後にもう1回使えば、卵からかえった幼虫まで駆除することができます」

ただし、小さな子どもやペットがいたり、食器や食品のあるキッチンで薬剤を使いたくないという場合は、前述の毒餌剤に加えてハーブなどの天然成分を使った忌避剤を併用し、増える前に対策をするのが一番だといいます。

ゴキブリが嫌われている理由

ゴキブリが嫌われているのは、その見た目や動きだけではなく、実害をもたらすから。

「 ゴキブリの糞や死骸はアレルギーの原因になることがあります。またそれだけでなく、ゴキブリが、サルモネラ菌、赤痢菌、小児麻痺ウイルスといった病原菌を家の中に持ち込むこともあります。食品や貴重品を食害したり、排泄物や嘔吐物で汚染することも。OA機器や部品内へ侵入してショートを起こす原因になることもあるのです」

百害あって一理なしのゴキブリ。その生態と対策方法を知れば、万が一遭遇したとしても落ち着いて対処できるようになるかもしれません。

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