はじめに

50歳以降のライフプランを具体的にイメージしておく

一方で、そもそもこの「200~300万円程度」という水準は、50歳以降の生活を送るにあたり、十分でしょうか。現在は給与天引きで住居費を払われているということですが、もし50歳でリタイアされる場合には、その後の住居費についてはこの「配当金収入」から捻出されるかと思います。

また、お子様が今後一人生まれた場合、ご相談者様ご夫婦が50歳時点で、高校生もしくは大学生といった年齢になっていることが考えられます。お子様が生まれた場合には、教育費や養育費については、投資部分とは別に積み立てておかれるとよいでしょう。

現在はまだ28歳とお若いため、今後昇給等も見込まれると思います。現在の生活水準を維持されるようであれば、現在の積立額を維持していくことも十分可能だと思います。現在の積立額(投資+貯金)45.5万円/月を継続された場合、利回りが0%だったとしても、

45.5万円 ✕ 12カ月 ✕ 22年 = 1億2012万円

となります。そして、利回りを少し保守的に考えて3%で運用できたとしたら、この金額は1億6984万円となります。

これに加えて、現在すでにお持ちの貯金2000万円、投資2000万円がありますので、50歳時点で金融資産総額として2億円を超えてくると見込まれます。

iDeCoの活用も検討を

iDeCoについては「60歳まで資金拘束があることに対して抵抗感を感じる」とのことですが、現在すでに4000万円もの金融資産をお持ちで、今後も積立を継続されていくことを考えれば、60歳以降で使うお金の置き場所としてiDeCoを活用されてはいかがでしょうか。60歳以前の時点で資金的に困るような可能性は極めて低いのではないかと思います。一方で、iDeCoはご存知かと思いますが、所得控除による税制メリットもあり、今後の毎年の所得税を節約できるので、税金面ではかなり魅力的な制度になっています。もう一度ご検討されてはいかがでしょうか。

アドバイスをまとめると……

以上、ポイントをまとめますと以下のようになります。

1)現在の投資方針は、50歳を目途に年間200〜300万円程度の配当金を得るという目標を達成するために適切でしょう。ただし、上述の通り、配当金等の点によっては、ポートフォリオの組み換え等も将来的には検討される必要があるかもしれません。

2)50歳以降のライフプランを具体的に想定しながら、「200~300万円程度」が十分か、考えていくことをオススメします。

3)iDeCoは税制上の優遇が大きい制度ですので、60歳以降に使うお金の置き場所と考え、活用を検討されてはいかがでしょうか。

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