全国各地で当たり屋行為の摘発が続いています。新型コロナウイルスによる不況のなか、少しでも金をだまし取ろうというのでしょう。電話での詐欺とは違い、当たり屋は実際に身体をぶつけてきて事故を演出するので、騙されてしまいがちです。

その手口は時流に乗って変化しています。いまや車だけでなく、自転車、歩行者までもが狙われています。


時代と共に変化した当たり屋

昔は、コンビニに前向き駐車をした車を狙い、道に出ようとバックしてきたところに飛びこみ、ぶつかったフリをして金をとる手口が多くありました。運転者の死角をついた犯行です。

その時、当たり屋はすでに壊れた額縁に入った絵画を持参しており、弁償代として数万円を要求します。しかし今は、壊れた絵画を持っての当たり屋は見かけません。手口が進化してきているのです。

4月、コンビニの駐車場でバックしようとした80代の高齢男性の車に、体をぶつけて金をだまし取った30代の男が逮捕されました。男は壊れた携帯電話を相手に見せながら、「ぶつかった衝撃で壊れた」などと嘘をつき、保険会社から10万円をせしめたのです。この事件のように、高齢者が狙われるケースが多発しています。

歩行者や自転車を狙う手口も

さらに、今は、車に当たるという手口だけはありません。

恐喝の容疑で逮捕された30代の男は、自転車を引いていた90代の高齢男性にすれ違いざまにぶつかり、スマートフォンを落として「画面が割れた」などと言いがかりをつけ、数十万円以上の弁償代を騙し取りました。

ところが、歩行者を狙う当たり屋は、高齢者だけでなく中年世代もターゲットにします。以前、ある編集者が酔っぱらって路上を歩いていた時、ぶつかってきた男が「iPadが壊れたじゃないか」と因縁をつけ、数万円を払ってしまったそうです。このように、歩行者を狙い、画面が壊れているモバイルを見せ、金を騙し取る手口も横行しています。

近年、自転車の事故に関するニュースを多く耳にします。子供が自転車で事故を起こし、親に数千万円もの賠償請求の判決が下った例もあります。騙す側はこうした時流にも乗ってきます。

福岡で6月、30代の男が当たり屋行為をしたとして逮捕されました。ターゲットは自転車に乗る女子高生らでした。男は自らも自転車に乗り、女子高校生に衝突したそうです。当然、高校生はお金を持っていませんので、男は高校生の母親に修理代ととして6万8400円を要求しました。ほかにも女子学生を狙った同様の当たり屋行為を複数行っていたといいます。