はじめに
まずは返済プランを考える
1年で115万円の借金の返済を行い残り2年で250万円の貯蓄が作れたら、ご要望されている個人事業主の開業資金ができたという目安とさせていただき、これをどうやって実現していくかを一緒に考えていきましょう。
金利18%の借金115万円を1年で返済となると、毎月10万5431円の返済が必要になります。総額126万5172円の支払いということになり、115万円の借り入れなのに利子を1年で11万5千円も多く支払わなければいけなくなります。金利って怖いですね。
投資よりも返済を優先させる!
現在の相談者さまの支出をみていくと、まず気になるのが投資に充てている5.6万円です。iDeCoもつみたてNISA も税制優遇制度として資産形成には非常に有効ですし、私も利用をお薦めしています。しかし、借金がありその金利が18%となると話が違ってきます。投資で増やせる金額より借金の利息のほうが大きくなってしまうからです。iDeCoは所得控除が受けられるので、単年の計算では借金の利子18%よりも有利になることがありますが、借金の返済が滞り借金額が膨らんでしまうと、「複利(利子に利子がつくこと)」でかかってくるので、怖さが異なります。絶対額が2.3万円×12カ月の27.6万円の所得控除枠から返ってくる税金より断然多くなる危険性があります。
現在の借金返済額は毎月3万円とのことですが、3万円ずつ返していくと返済完了まで58カ月かかり、累計支払額は172万4153円という計算になります。115万円の借金に利子が57万円以上のってくることになりますので、一旦投資を積み立てるのをストップし、全力で借金の返済に充てたほうが良いでしょう。つみたてNISAは掛け金をストップし、iDeCoは掛け金を5000円まで下げることができるので最小限まで減らしましょう。
つみたてNISAは解約して支払いに充てる
また、運用資産が50万円とのことですが、このうちiDeCoは引き出せませんが、つみたてNISAで積み立てているものがあれば解約し借金の返済に当てたほうが良いと思います。
そうすると利子の支払いが上記よりも減らせることになります。
仮に現在の運用資産のうち30万円ほどがつみたてNISAとして、貯蓄が10万円あるとすると、40万円を返済に充てられます。その上で、残りの65万円の借金を12カ月で返済するには、5万9591円ずつ支払えば完済できます。
毎月の借金返済額3万円に加えて、つみたてNISAとiDeCoに投資している5.6万円の内、iDeCoの最低掛け金5000円を引いた5.1万円を返済に充てられれば、合計8.1万円の返済ができるので9カ月で返済が可能になりますし、利子の支払いも5万円ほどにできますね。